「若い頃のように眠れなくなった」
「床に入っても、寝つくまでにとても時間がかかる」
「夜中に目が覚めると、再び寝入れなくなる」
こうして「朝起きるとスッキリしない」あるいは「日中の生活に張りが出ない」「居眠りをしてしまう」こんなことにお困りではありませんか?
実は、厚生労働省の調査によると日本人の5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」或いは「寝つきが悪い」など何らかの睡眠の悩みを抱えているということです。そして、この傾向は加齢ともに増えていくということです。
50代以降の不眠の悩みはあなただけに限ったことではありません。多くの方が経験していることでもあるのです。
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眠れない理由が変わる50代
睡眠に悩みを抱える理由は年齢によっても変化します。
例えば働き盛りの忙しい世代では「睡眠時間が確保できないことが大きな問題」となっています。平日には睡眠時間が確保できないため、20代では「週末に睡眠をまとめてとる」ことで対処してきたのが、30、40代になると平日に仕事をバリバリして週末に睡眠をとるだけでは疲れがとれなくなり仕事の能率が落ちる、けれど働き盛り、仕事量はどうしようもないことが問題となる傾向があります。
それが大きく変化するのが50代です。
50代になると、いくら仕事が忙しいといっても、やはり体に無理はさせなくなります。睡眠時間の確保は比較的できるようになるのですが、そのかわりに、寝ようと思って床についても「寝つきが悪い」「夜中に目がさめる」「早朝に目覚める」「眠りが浅く、目覚めがすっきりしない」などの不眠症状に悩む人が増える傾向があります。
眠りの質は抱えている不安度のバロメーター
眠りの質は「心の状態のバロメーター」とよく言われます。
睡眠の問題で悩みを抱える50代以降の方によくみられるのが「眠れないことへの不安、焦りが非常に強いこと」。
若いときと同じように眠れないことに不安を感じ「どうしよう」と焦ってしまう。
少しでも思ったように眠れない、寝つけないと、そのこと自体に不安や焦り、イライラなどを感じて神経が高ぶり、余計に眠れなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。
眠りに直結した不安や焦りだけではありません。
50代では若い頃に比べ、自身の体調の変化や生活の変化、社会的ポジションの変化など、様々な変化を一気に迎えます。
人間の脳にとって、こうした変化のすべてがストレスとなります。
何故ストレスとなるかというと、脳はもともと「同じ状態を維持しようとする性質がある」からです。
(※過去記事で詳しくお伝えしていますのでよろしければコチラをどうぞ。)
そういうわけで、50代は日常生活の中で無意識に抱える不安や焦りが増えます。
ストレスが増えるのにも関わらず、50代を過ぎると年長者という立場もあり、こうした悩みや不安を誰にでも相談することがはばかられるようになります。すると、自分の中でも無意識にそういった不安や焦りを抑圧するようになります。
日中の日常生活は特に問題なく生活しているように感じていても、意識の覚醒状態が低くなる睡眠前には、抑圧していた不安や焦り、ストレスなど意識されやすい状態となり、神経が高ぶって寝つきが悪くなってしまうのです。
漢方を利用するのもひとつの手
特に寝つきが悪いタイプの方におすすめの漢方薬に『抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)』があります。(さっぽろ悠心の郷 ときわ病院院長 宮澤仁朗先生のおススメ - 情報リソース:Kampoful life)
神経が高ぶってイライラしやすい方に処方される漢方で、自律神経を安定させる効能があり、胃腸の弱い方でも服用しやすい漢方薬となっています。
寝つけないというのは、直前までイライラや不安があり、その延長上で起きていることがほとんど。『抑肝散加陳皮半夏』を日中に飲むことによってイライラ度を下げ、眠りに導いていく効果が期待できます。実際に、不安焦燥が強く、夜眠れないという高齢者の方に処方しており、『イライラしなくなり、眠れるようになった』とお声をいただくことが度々あります
不眠の悩み ~ 薬に頼らない解決法
フランスでは多くの高齢者がイメージ呼吸法メソッド・ソフロロジーによって睡眠の問題を薬に頼らずに解決しています。不眠の悩みを解決するために大切なことは大きく分けて3点あります。
- 日々の不安、人生への焦りなどから解放すること。
- 年齢と共に変化していく自分の体調や変化する社会環境を受け入れ、それらの変化に対して自分に適応能力があるという自信を持つこと。
- 心地よく、自分の思い通りの寝つきができる、良質の睡眠をとれる自分をイメージすること。
この記事では2番目の適応力を高める「イメージ呼吸法」をご紹介します。
毎日、音声を聞きながらリラックスするだけで、神経の高まりが静まります。またこのイメージ呼吸法の中で行われる呼吸「5秒、息を吸って、5秒、息を吐く」5秒間呼吸法を毎日の習慣にすることで、心機能が上がり、循環器系のトラブルを抱えるリスクが低下することも分かっているんですよ。
5秒間呼吸法を習慣にする その効果
- 怒りの感情を持つことが減り、穏やかな気持ちを保ちやすくなる。
- 周囲のネガティブに引っ張られなくなり、心が安定するようになる。
- 普段から気持ちがポジティブになり、日常の幸福感が上がる。
- 心臓の機能が安定し、循環器系等の働きがスムーズになる。
- 過剰な食欲が抑えられ、味つけの濃い外食などより健康的な食事への欲求が高まる。
※追記:アメリカの保険会社では(注釈:アメリカは皆保険制度がないので、市営の保険に入っている方が多いのです。)この5秒間呼吸法を毎日行っているかどうかを機器を用いてチェックしている会社もあるそうです。呼吸法を毎日行うことで、心機能が安定し、心臓病のリスクを低減できるという研究データが出ているからなんですよ。保険加盟者の健康が維持できれば保険会社は支払いを抑えることができますからね(*^^)v。
最初は画像を見てもいいですが、理想的には目をつぶって、音声に集中し、画像に頼らず自分の頭の中でイメージする方が効果的です。また、何度も行って慣れてきたら、音声を聞かずに、通勤や仕事や家事の合間などに小休憩を入れ、ご自身で呼吸をしながら、イメージをすることで心や頭がクリアになりやすくなります。
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