• EQって何?
  • IQと違うの?
  • EQは高い方がいいの?
  • IQだけが高くてもダメなの?

こんな疑問を持ったことはありませんか?

「IQとEQ、人生で役立つのはどちら?」
「上げる方法はあるの?それとも生まれつき?」

心理学研究の報告をもとに、そんな疑問にお答えします。

IQとEQの違い

IQとは?

IQは知能を測る一つのものさしです。(IQ:intelligence quotientは日本語では「知能指数」と言われます。

知能とは「情報の処理能力」また「答えを導き出す能力」なんですね。

IQが高い人たちは、同じ年齢のグループの中では次のような特徴があります。

  • 記憶力が高い
  • 物事の判断が速い
  • 会話の理解が速くて適格

IQが高い人たちの特徴は、ハイスペックなパソコンのような頭脳を持っているけれど、あまり人間味は伝わってこない印象がありますよね。

EQとは?

では、EQについてはどうでしょう?

EQ(emotional quotient)は「心の知能指数」と呼ばれていて、「自分の気持ちをうまく扱う能力」「他者の気持ちをうまく察知したり、理解したりして共感できる能力」です。

EQが高い人たちは、自分と他者の気持ちを理解したり、気持ちをうまく処理したりすることが得意な人たちです。

仕事で成功するのは高IQ?それとも高EQ?

仕事では、お客さんが求めている何か、上司や同僚、取引先が求めている何かを提供する必要がありますよね。

ハイスペックなPCのような能力で、これをこなすのが高IQの方々。

しかし、EQが低い場合は、人の感情の動きまではキャッチできません。

一方、EQが高い人は、人間の感情を理解し、最終的にお客様が欲しい感情、上司や同僚、取引先の暗黙のニーズまで理解することができます。

同僚の気持ちを理解して上手にサポートしたり、トラブルになりそうな場面で、うまく人間関係を円滑に進める力があるのも高EQの方々です。

高IQと高EQの人、あなただったら、どちらの方と一緒に仕事がしたいですか?

EQが高ければ高いほどお金持ち?

過去には、IQばかりが注目されていた時代もありましたが、近年では、企業の人材育成の場や採用試験などでもEQテストを重視する傾向が強まっています。

仕事の成功とEQには高い相関があることが近年の心理学的研究で分かってきたからです。

それもそのはずで、EQの高い人は、人と協力することが得意なので、自分の苦手分野を誰かに補ってもらうことも上手なのです。

IQが突出している人は「社会性には欠けるけれども、世の中で突出した大天才」になれる素養があります。

でも、仕事で成功するには、どうしても人との関わりが必要です。

だから、収入との相関関係があるのは、EQの方なんです。

下図を見てください。

これは横軸がEQの高さを表す数字で縦軸が年収を表しています。

アメリカの“Emotional Intelligence 2.0” によると、42,000人を調査したところ、高EQの人は、低EQの人に比べて年収が高いという結果になりました。

EQ income

出典:タレントスマート

仕事の成功者はEQが高い!?

フランスの心理学研究の調査結果によると、人が幸せを感じるに4つの要素が必要だそうです。

人の幸せに必要な4つのポイント

  1. 精神的な幸福
  2. 肉体的な健康
  3. 社会的に良好な人間関係
  4. 仕事での成功

世の中に「お金持ちの人」はたくさんいますが、その人たちが皆、幸せかというと、そうではありません。

  • お金を手に入れた後に、人生を失敗してしまった。
  • 自分を取り巻く人間関係がすべて利害関係でしかなく、心が枯渇している。
  • お金は手に入ったけれど病気になってしまった。

そんなエピソードは沢山あります。

一方で、高EQの人たちは、仕事の成功する以外にも、次のような人生を享受することが多いのです。

  • 人間関係のトラブルが少なく、成功者となっても敵が少ない。逆にたくさんの友人に恵まれる。
  • 他人と意見が食い違っても、諍いに発展させず、穏やかに収めることができる。
  • 本来の自分を抑圧することが少なく、心身のバランスがとれやすい。
  • パートーナーを見つけやすく、またパートナーとの良い関係を維持しやすい。

ということは、逆に、あなたも高いEQを手に入れることができれば、このような人生が手に入るということです。

さて、ここで問題がありますよね?

EQは果たして後天的に鍛えることができるのか?

ちなみに、IQは遺伝的な要素が大きく影響します。

40代からEQを鍛えることはできるのか?

実は、EQは持って生まれた才能ではありません。

何歳になっても、向上させていくことができる能力なんです。

IQ = 生まれつきのもの、高学歴、高収入

EQ = 後天的に鍛えることができる、高収入、社会的成功、高い幸福感、よい人間関係、健康的な人生

それでは、これからEQの鍛え方についてお話していきます。

EQを鍛えるために、まずは高EQの人が持っている能力について正しく理解しておきましょう。

EQが高い人が持っている能力は、すべて感情や気持ちに関わる能力です。

高EQの人が持つ「5つの心の能力」

  1. 自分や他者の気持ち、感情の動きが分かる。
  2. 自分や他者が何故そんな気持ちになっているのか、感情の原因が分かる。
  3. 自分や他者の気持ちを大切にし、うまく感情表現することができる。
  4. 感情をシチュエーションに合わせてコントロールすることができる。
  5. ポジティブな感情もネガティブな感情も、すべての感情を受け入れることができる。

「感情を理解したうえで、それがネガティブでもポジティブでも、すべてを受け入れる器の広さがある」というのが高EQの特徴なんです。

EQアップに大切な自己対話

「高EQの人が持つ心の能力」の最初のポイントは「自分の気持ちを理解しコントロールする」というもの。

EQは何歳からでも鍛えることができるわけですが、ではこのポイントを鍛えるためには何が大切かというと・・・、

答えは自己対話です。

自分が抱いている気持ちに言葉を見つける

自己対話の第一歩は「自分の感覚に意識を向ける」というシンプルなこと。

例えば「モヤモヤした」「イラッとした」「腹が立った」こんなネガティブな感覚がフワッときたとき、「こんなこと思っちゃダメダメ」と、その感覚を抑圧して「ポジティブ、ポジティブ」と自分に言い聞かせるのではなく、ただ「いま、私は腹立たしい」と、気づけることがとても大切です。

高EQの人の最大の特徴ともいえるポイントは「ポジティブでもネガティブでも、すべての感情が受け入れられること」

「あなたが感じることに「良い/悪い」は最初から存在しないということをぜひ覚えておいてください。

感情に気づき、コントロールできるようになるための第一歩として、欠かせない習慣があります。

それは、すべての感情に言葉を見つける習慣です。

  • 「うらやましい」のか「嫉妬している」のか?
  • 「称賛されたい」のか「認められたい」のか?
  • 「勝ちたい」のか「負けたくない」のか?

感情を封じ込めたり、無視したりせず、感情を言葉で表現してみる習慣を持ってみましょう。

EQアップ もう一つの訓練方法

「自分と向き合うこと」は大切なんですが、人は自分よりも他人の事の方がよく見えます。

他人には、いいアドバイスをする人が自分の悩みとなると「解決できていない」という方は多いですよね。

自分に向き合うのが苦手な方は、誰か他人と一緒にいるときにもEQを鍛えることができます。

その方法は ⇓⇓⇓⇓⇓⇓⇓

相手の感情を言葉に表現してあげる

友人や同僚があなたに愚痴をこぼしたら「こういう風に感じたってこと?」と、相手の感じた気持ちを言葉にしてあげます。

自分の気持ちを言葉にしてもらえると、気持ちが「見える化」して、相手は心が軽くなります

自分の訓練にもなるうえに、相手にとっても喜ばれる練習方法なので一石二鳥ですね!

それでも「感情に当てはまる言葉を見つけること自体が難しい」という方もいらっしゃるかもしれません。

そういう方におススメの方法はコチラ ⇓⇓⇓⇓⇓⇓⇓⇓

相手の言葉をオウム返しにしてあげる

愚痴を言っている相手の言葉をオウム返しにしてあげる。

例えばこんな感じです。

不満


「で “急ぎの仕事だから、どうしても” って上司が言うから仕事を家に持ち帰って、必死で仕上げたのに、次の日に持っていったら “あ、もうできたの?明日でよかったのに” だって。超腹立つ~!」

OL

「そっか。家に持ち帰ってまで仕上げたのに、そんな風に言われてすごく腹が立ったんだね」

不満


「そうだよ~。だってさ “どうしても” とか言われなければ、あんなに頑張らなかったし。家帰ってドラマとか見れたし。一言、謝ってくれたっていいと思わない?」

OL

「謝ってほしかったんだ」

不満

「そう。謝ってほしいよ。もうそういうことはしないでほしい」

オウム返しにしてもらうと、愚痴った本人は、自分の言葉を他者の口から聞くことになり、自分の気持ちと距離を取って客観的に見られるようになるんです。

すると、表面的に感じていた気持ちだけでなく、心の奥に「隠れていた期待」や「真の不安」や「望み」を認識できるようになります。

特に女性に受け入れてもらいたい男性の方には、女性の愚痴や悩みを聞く際、このテクニックを使うのがおススメです。

男性脳は「困っている人を見るとすぐに解決方法を提案したくなる」構造を持っているのですが、女性脳は自分の悩みに「ただ共感してもらいたいだけ」という性質を持っていて、この違いから男女のすれ違いが大きくなっていくことが多いからです。

まとめ

EQを高めるための最初のステップは自分の気持ちを知ること。

そのために気持ちを表現するボキャブラリーを増やしましょう

高いEQを持つには、他人の気持ちを受け入れられるようになることも大切。誰かの話を聞くときは「頷き」と「オウム返し」を意識しましょう。

本記事を最後までお読み頂きありがとうございました!

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