繰り返しやってくる「不愉快な感情」、いい加減どうにかしたい・・・。

あなたには、例えば、次のような感情が何度も出てきて、うんざりすることがありませんか?

  • 「何度、言ったら分かるんだ!」というような怒り。
  • 「どうせ自分は、いつもこうなんだから」というような自分への否定。
  • 人前に出ると怖くなったり、緊張したりして、頭が真っ白になる。

状況は違うのに、何度も、何度も繰り返し感じることがある嫌な感情は、子どもの頃の体験によって生まれたインナーチャイルドである場合も多いものです。

インナーチャイルドというのは、「子どもの頃のアレが原因だ」とハッキリ自覚出来ることもあれば、「このトラウマ体験が原因だ!」と分からない場合もあります。

「子どもの頃のあの体験が原因だ!」とハッキリ分かっている場合は、下記の記事を参考にしてくださいね♪

 

「インナーチャイルドとの対話」子どもの頃のトラウマ体験を克服する4ステップ 【体験談】

さて、本記事では、これって「インナーチャイルドの仕業?」とハッキリは分からない、「なんで、こんなことばっかり自分に起こるんだ!理不尽だ!」という繰り返される感情の根本にあるインナーチャイルドを見つけ出し、昇華してあげる方法をお伝えします。

インナーチャイルド誕生の秘密

そもそもインナーチャイルドって、何なんでしょうか?

それは、あなたが子どもの頃に、自分にとって「とても大切で分かってもらいたかった感情」が、理解されなかったり、受け入れてもらえなかったり、そもそも感情表現することすら許されなかったりした場合に、そのときの「体の緊張」や「感情のエネルギー」が体内に溜まったまま、発散されずに残っていることなんです。

インナーチャイルドの多くは、実はトラウマ体験として記憶されていません。けれども、これは「インナーチャイルドかもしれない」というサインとしては、次のような特徴が挙げられます。

インナーチャイルドかもしれないサイン

 

  • 大人になって、何度も何度も、しつこく同じ感情が湧き上がってくる。
  • 「頭では、怒ることではないと分かっていても、強い怒りが湧いてくる」など、目の前に起こっている出来事に比べて、感じている感情が強すぎる。
  • 「抑えなきゃ」と思うのに、理性で感情をコントロールすることが難しい。
  • 特定の出来事に対して、同じような感情を抱くのは、自分の性格だと思い込んでいて「仕方がない」と思っていることがある。周りからも、そう思われているけれど、生きづらい。

こうした不愉快な感情は、あなたに「生きづらさ」をもたらしたり、「人間関係の衝突」をもたらしたりします。

そして、実は、こうしたインナーチャイルドを抱えることは、機能不全家族で育っていなくても、誰にでもある「心と体の仕組み」なのです。

驚きのインナーチャイルド体験談

例えば、私は、フランスで「コロナ感染予防のための外出制限」がかかっていたときに、こんな「インナーチャイルド」との出遭いを体験しました。

《私のインナーチャイルド体験談》

 

実は、私は2020年の春に行われたコロナの外出制限期間がとても辛かったんですね。 (T_T)。

 

私には、2020年時点で3歳の娘がいたのですが、赤ちゃんのときから「子どもの外遊び」を重視した教育方針をとってきました。なので、私が「子どもを外で遊ばせるのが好き」なのは、自分の教育方針のせいだと思ってたんです。

 

そんな中、私が住むフランスでは約2カ月に及ぶコロナ対策のための外出制限があり、とてもストレスを感じました。そして、そのストレスは「子どもを十分に外で遊ばせてあげられないことに対して感じているストレス」だと思い込んでいたんです。

 

ところが、あるとき、よく考えてみると「娘が赤ちゃんの頃から、子どもをできるだけ沢山外に連れ出すことに異常にこだわっていた」ということに気づいたんですね。一方、家の中で娘と一緒に遊ぶのが辛く、天気が悪くて外へ出られない日は、いつも気が滅入っていました。

 

子どもと遊んであげたいのに「家の中で遊ぶ」というシチュエーションが苦痛で、苦痛で仕方がなかったのです。

 

 

そのとき、外に遊びに行けないストレスは、「外遊びが大切、という教育方針のせいではない」ことに、ハッキリと気づくことができました。

 

そこで、本記事でお伝えする方法を使ったところ、やはりインナーチャイルドだと分かりました。

 

実は、私は子どもの頃、家に帰るのが好きではありませんでした。

 

小学校の学校帰り、マンションの下でお友達と1時間以上お喋りをして母親に心配をかけたこともあります。「〇時に帰ってきなさいよ」と親に言われても、いつも門限が守れなかったことも思い出しました。頭では「帰らなきゃいけない」と分かっているのですが、何故か、いつも門限を過ぎてしまうんです(笑)。

 

子どもの頃は、家でできる遊びも少なく、おもちゃなどもなく、一緒に遊んでくれる友だちもいないので、楽しみが一つもなくて、帰りたくなかったんですよね。

 

自分では、全く気づいていませんでしたが、「家にいるのがイヤ」「家にいても楽しくない」そんな漠然とした『家への嫌悪感』が、家で何でも好きなことができる大人になった後も、昇華されずに残っていたのです。

 

このワークを終えて数年経った2022年の今は、家で、娘と工作やら、絵本よみやら、縫いものやら、たくさん楽しくできる遊びが見つかるようになりました♪。

「へ~、そんなこともあるんだ」

と思いませんでしたか?

上記の私の例のように、特定の感情が「まったく関係のない出来事からきている」ということは、非常に頻繁にあります。

セッションでも、「お金に対する感情」が「親に受け入れてもらえなかった感情」と繋がっていたり、「小さなイライラや不安」が「地震で怖い思いをした体験」と繋がっていたり、頭で考えると無関係にみえた出来事が、実は根っこの部分で繋がっていたことに気づかされる方が多くいらっしゃいました。

インナーチャイルドとの対話法

では、早速、「感情の根本原因を探るインナーチャイルドとの対話法」についてお話します。

この対話法では、不愉快な感情を辿ることが多いと思いますので、辛い気持ちを再体験することに恐れがある場合は、感情を深く辿ることができない可能性があります。

ですから、リラックスした状態で、誰の邪魔も入らないようなシチュエーションを整え、次のような方法でリラクゼーションした後に行ってみてくださいね。

ワ―ク前に行うリラクゼーション

 

  • ソフロロジーの瞑想ワーク(Youtube瞑想チャンネルはこちら)でリラックス
  • お好きなリラクゼーション・ミュージックや瞑想音声でリラックス
  • 5秒間呼吸を行う(5秒、鼻から息を吸って、5秒、口から息を吐く)

インナーチャイルドとの対話 実践ステップ

ステップ 1 - 気持ちにフォーカス

現在、頻繁に感じる感情で、解消したいと思っている感情に意識を向けます。

例:

誰かを見てイライラする。その誰かを思い出すことで、そのイライラの気持ちを思い出す。

ステップ 2 - 気持ちを頼りに過去の記憶を遡る

ステップ1で感じた「イライラの気持ち」と似たような気持ちを感じた出来事が過去にもあったとしたら、それはいつでしょうか?

5年前、10年前、学生時代、高校時代、中学時代、小学校高学年、小学校低学年、幼稚園、と過去へ遡りながら、思い出していきます。

例:

高校のとき、ある先生に〇〇で怒られたときにイライラした。

中学のとき、部活で自分がミスってイライラした。

小学生のとき、兄弟げんかをして親が兄弟の肩をもったときにイライラした。

幼稚園の頃、幼稚園の先生が自分がした悪戯じゃないのに勘違いで怒られイライラした。

例に挙げたような感じで、時間をどんどん遡っていって、似たような感情を抱いた場面で、一番小さい時の感情へたどり着きます。

ステップ 3 - 対話 子どもの話を聞く

子ども時代の自分に問いかけます。

  • その時の自分の気持ちを尋ねる。
  • 本当は、どんなことを言いたかったけれど、言えなかったか尋ねる。
  • 本当は、どうしてほしかったのか、尋ねる。

例:

「そのとき、どんな気持ちだったの?」 ⇒ 本当は自分がやったんじゃないのに、自分がやったと決めつけられて悔しかったし、悲しかった。
自分が嫌いになった。

「言いたかったけど、言えなかったことはある?」 ⇒ 本当は、自分がやったんじゃない。誰がしたかは知らないけど、自分はそこに通りかかっただけ、って言いたかった。勘違いされて理不尽だって、叫びたかった。

 

「本当はどうしてほしかったの?」 ⇒ ちゃんと話を聞いてほしかった。自分の言い分を受け止めてほしかった。

「インナーチャイルドとの対話」というと、インナーチャイルドを見つけた途端、すぐに大人の自分の感性で慰めたり、愛情をかけてあげたりする方がいらっしゃいます。

でも、このワークの本質は、「子どもの頃に表現できなかった感情を自由に表現させてあげる」「子どもの頃に受け止めてもらえなかったことを、「受け止められた」と感じてもらうこと」にあります。

大人の感性で、子どもに優しく接してあげたり、「癒されろ~」「嫌な感情、昇華されろ~」というエネルギーをぶつけたりしても意味がありません。

それでは単純に「今、起こっている不都合を解決するために、子どもの頃の自分に言い聞かせている」だけになってしまい、インナーチャイルドが真に昇華されなくなります。

大人のロジックを分からせることではなく、子どもの頃の感情を感じ取って、「そうだった、自分はそういう気持ちだったのか」ということを無条件で受け止めてあげることが大切です。

※というわけで、あまりに重いテーマは一人では受けとめきれないため、セルフ・ワークには向きません。注意しましょう。

ステップ 4 - 対話 大人から共感と説明

子どもの気持ちを聞いてあげたら、今度は大人の自分が伝えたいことを伝えます。

  • その時の自分の気持ちへの共感を示します。
  • その時の自分がしてもらいたかったことをしてあげたり、言ってもらいたかった言葉をかけてあげたりします。
    インナーチャイルドが「こうして欲しかった」と言ったことを満たしてあげる
  • 大人になった今なら分かる、当時の大人が自分に説明してくれなかった「大人の事情」を説明してあげ、本当は「子どもの自分には何の責任もなかったこと」「自分に負い目を感じなくていいこと」を説明してあげます
  • 自分を勇気づける言葉がけ、安心させてあげる言葉がけが分かれば、それをしてあげます。
  • これからどうしていったらいいか、教えてあげます

例:

「自分のせいじゃないのに、自分のせいにされて悔しかったね。悲しかったね。本当は、通りかかっただけだったんだね。君がやったんじゃなかったんだもんね。ちゃんと分かったよ。君が悪戯をしたんじゃない、ってこと。

きっと、先生は、忙しくて勘違いしちゃったのいかもしれないね。でも、先生が勘違いしたのはきみのせいじゃない。君は悪くないんだよ

今は、もう大丈夫。君がしたんじゃないって分かってるし、これからは誰も君を理不尽に勘違いで責めることはないから安心していいよ。

これからは、我慢せずに、自分の言い分を言えばいいよ。皆、話を聞いてくれるからね」

ステップ 5

子どもの反応を受け止め、味わう。

(子どもの反応がホッとした、ゆるんだようなものであれば、あなた自身の体感が楽になり、呼吸が楽になります。そうでなかったり、インナーチャイルドに反応がなかったりする場合は、インナーチャイルドが感じていることを十分に受け取れなかった、ということになります。)

現在の自分へ戻ってくる。

「インナーチャイルドとの対話」ワークのポイント

「インナーチャイルドとの対話」など、「潜在意識との対話」で最も大切なことは、「体感を伴った感情を丁寧に味わっていく過程」です。

「対話」というと、とにかく「言葉でのやりとりをするだけで十分だ」と思われる方がいらっしゃいますが、そのやり方ではインナーチャイルドは昇華し切らないんですね。

例えば、ステップ2の「過去に味わった同じような感情を遡るプロセス」で、「あ、あのときもこうだった、このときもそうだった」と、出来事を頭で思い浮かべるだけではインナーチャイルドは、うまく昇華してくれません。

「あのときに感じた感覚、気持ち」それを、外側から眺めながら、「体感」を感じ取って、体感が静まるのを待つ必要があるんですね。

インナーチャイルドに辿り着いたときも、頭の中で会話をするのではなく、言葉にならなくても、子どもの頃の自分が感じていたことを感覚で受け取ることが大切なんです。(むしろ、言葉にしなくてもいいくらいです。)

ということで、それぞれのステップを「体感の伴った感情」で追っていくので、時間がかかりますし、集中力がいります。また、嫌な気持ちを再体験しますから、そのネガティブな感覚に現在の自分ごと飲み込まれてしまうと、元も子もありません。

受けとめられるだけの安定した精神状態が必要になります。

インナーチャイルドとの対話がうまくいかない場合

実は、「インナーチャイルドとの対話」をしてもインナーチャイルドが昇華してくれない場合があります。

インナーチャイルドのエネルギーが昇華されるためには、一定の条件があり、それが満たされていないと、うまく対話できないからです。

まずは、「嫌な感情のエネルギー」を受け取れるだけの「安心感」や「回復力」が、あなたの内側で既に育っている必要があります。

今のあなたの状態が、深い悩みの中にあったり、辛い状況にいたりして、普段の状態でも「安心感」が小さい場合は、インナーチャイルドを特定することが難しくなったり、特定しても、うまく対話ができなかったりするでしょう。

また、「Aというインナーチャイルドを昇華するのに、まず先にBというインナーチャイルドを昇華させる必要がある」場合もあります。

「インナーチャイルドとの対話」は、心の準備が整っていないと無理なんです。

ですから、あなたが「インナーチャイルドとの対話」をセルフ・ワークされる場合は、「小さなテーマ」を扱うようにしてください。

「小さなテーマ」をポンポン昇華していくだけでも、日常は、随分と生きやすくなっていきますよ♪

何故、インナーチャイルドが現在のあなたを苦しめるのか?

それでは、何故「子どもの頃に感じた感情」を、〇十年も経った後に癒すことができるのでしょうか?

それは、体の内側に生まれる感情には、過去・現在・未来の区別がないからなんですね。

感情の正体は、ただの神経反応です(笑)。

何十年も昔につくられた神経系が、今も特定の刺激に対して活性化すれば、同じような感情が何十年にも渡って繰り返し、蘇ってくることになります。

「インナーチャイルドとの対話」の目的は、特定の刺激で敏感に活性化してしまう神経系を静めることなんです。

まとめ

いかがでしたか?

「インナーチャイルドとの対話」は、専門家のガイドによる対話を経験してから、ご自身で遣えるようになることがおススメです。

私のセラピーでは、セッションを受けずに自分で「セルフ・ワーク」ができるようになるためのサポートも行っています。自分で、嫌な感情を昇華する術を身に着けることができると、本当に生きやすくなっていきます。

セッションにご興味がある場合は、下記のフォームから、メルマガにご登録され「セラピーとは何か?」「意識の構造」について理解を深めてくださいね。

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