「パニック障害」は治るのか?

治ります。

では、どんなステップで克服できるのでしょうか?

本記事のテーマは「パニック障害を克服する論理的ステップ」についてです。

元京大医学部勤務、リケジョ・セラピストの筆者が、体の内部構造の説明を
交えて、パニック障害克服の論理的ステップをご紹介します。

筆者は、フランスの多くの医師がパニック障害の方へ推奨するメソッド
『イメージ呼吸セラピー』の国家機関RNCPレベル認定資格を持つセラピスト
でもあります。

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体内の不安の伝わり方

では、さっそく、体の中で、不安がどのようにして発生し、伝わるのか?
について、お話します。

今、目の前に、不安の原因があったとします。

それらを認知するのは、目や耳や、鼻、体温を感じる皮膚の感覚などの
感覚器官です。

具体的に「このシチュエーションは不安だ」と、顕在意識で気づけるもの
もあると思いますが、すべてがそうとは限りません。

「なんか、何が理由かわからないけど、呼吸が浅くなる、動悸がする、不安
が大きいなど」の症状が出る場合もあります。

体の感覚器官がキャッチする情報の多くは無意識で処理されていると考えて
ください。

感覚神経は、常に、その五感で感じたことを脳へ伝えています。そして、その
情報を元に、脳は体にどんな反応をしたらいいかをフィードバックするんです。

絵にすると下の図ような感じになります。

 

神経伝達

受容器、つまり、5感やバランス感覚、温度センサーなどが受け取った情報を
感覚神経が脳へ伝え、脳が臓器や筋肉などの器官に外的環境に対して、どう
備えるかを命令するシグナルを出します。

 

この図では神経が1本の矢印で示してありますが、実は、神経は一本の線に
なっているわけではありません。

いくつもの神経細胞が数珠つなぎになり、バトンリレーのようにして、シグナルが
1つの神経細胞から次の神経細胞へと受け渡されていく構造をしているんです。

 

下の図は1つの神経細胞(ニューロン)の絵です。

ニューロン

このニョロニョロとした神経細胞の1つ1つがたくさん繋がって、シグナルが
バトンリレーされ、神経となっています。

シグナルのバトンリレーのされ方は「電気信号」と「化学物質(神経伝達物質)」
の2種類があります。

1つの神経細胞内では、電気が走ることによってシグナルが伝わりますが、1つ
の神経細胞から次の神経細胞にシグナルをバトンタッチするときには、
神経細胞の末端にあるシナプスから神経伝達物質という化学物質(バトン)が
放出され、それらを後列の神経シナプスが受け取ります。

 

神経のバトンリレー

 

実は、このシグナルの受け渡しは、強い刺激を受けたら強く伝わり、弱い刺激
を受けたら弱く伝わる、というわけではありません。

同じ刺激でも大げさに伝わったり、控えめに伝わったりすることがあるのです。

 

その仕組みは以下のような感じになります。

何度も繰り返しシグナルのバトンが受け渡されている神経同士の間では、通常、
3本で行われていたバトンリレーのはずが5本に増えるんです。

こうしたシグナル伝達の増強を「シナプスの増強」と呼んでいます。

 

具体的には、下図のようにバトンを受け取る側のシナプスの構造が変わったり、
バトンの受け取り手(受容体)の数が増えたりして、情報量が水増しされて後列の
神経細胞へと伝わっていきます。

パニック障害の方は「体調の悪さや不安に結びつくことなどに関するシグナルが、
大げさに伝わる神経システムになっている」とイメージすることができます

シナプス可塑性

 

シグナルが増強されるのは、繰り返しよく使われた神経なのですが、逆に、
使われる頻度が下がると、通常、3本のバトンの受け渡しだったのが、1本
のバトンに減る、という機能もあり、この抑圧のシステムをうまく使えば
パニック障害の方の体内で、過敏になっている神経を静めていくことができ
ます。

パニック障害を克服するには、不安のシグナル伝達が弱まっていくことが
望まれるわけですね。

そして、代わりに安心のシグナル伝達が強化されていくと、パニック障害
の症状が徐々に薄まっていきます。

お薬の作用

さて、日常生活の中には、私たちの神経系にたくさんの「不安の波」を引き起こす
刺激があります。

それら、不安の大波、小波の影響をコントロールしながら、私たちは日常生活を
送っているわけです。

けれどパニック障害の方は、小さな波がたっただけでも、不安のシグナル伝達が
大波を引き起こします。

ですから、パニック障害の方に出されるお薬の作用は、次のようなものになるのです。

それは、不安シグナルを伝える神経末端の受容体が、シグナルを受け取らないように
ブロックしてくれたり、リラックスを伝える神経末端の受容体にくっついて、心や体が
落ち着くようにしてくれたりする、というものです。

 

パニック障害の方は、不安になりやすい心の状態なので、お薬に関しても「イヤだな」
「離れられなくなるんじゃないのかな?」「なんとなく怖い」など、お薬を飲むことに
不安があるものです。

でも、不安を伝える神経が何度も使われると、上記のようにその神経が強化されて
しまいますから、お薬を飲んで、不安を伝える神経に休んでもらっていた方がいい、
ということになるんですね。

体調が良くてもお薬は飲まないといけないの?

上述のように、不安症状やパニック障害を治していくには、不安シグナルの
情報伝達バトンの数を減らしていってもらいたいわけです。

そのためには、不安を伝える神経が使われる回数を減らすことはとても大切です。

パニック発作が起きるほどの不安ではないから「お薬は必要ない」というよりも
小さな不安であっても、それをできるだけ0に近づけ、不安を伝える神経に少し
でもたくさん眠ってもらうことがパニック障害・完全克服への鍵なのです。

 

パニック障害 完全克服へのステップ1 発作への対処法

パニック障害を克服していくための最初のステップは、実は、発作や体調不良の症状
をなくすことではないんです。

「発作が起きないように」そのことばかりに捉われて、体調を監視しつづけるような
状態だと、逆に神経過敏になってしまいます。

ですから、パニック障害を克服していくための最初のステップは、「発作が起きた
ときに
対処できる方法を持つこと」なんです。

最初は、完全に発作をコントロールできなくっても、いいんです。。

ただ、発作の最中に、辛い気持ちで、怖くて仕方ない気持ちで発作が収まって
くれるのを受動的に待つしかない状態から、何かしら自分の意志でしていること
に意識をもっていける状態が大切なんです。

「嫌なことから意識をはずす」

これは痛みを静めるためのペイン・マネジメントでも大切な手法の1つです。

パニック障害 完全克服へのステップ2 休職

お仕事をされている方は、お仕事を休職された方がパニック障害を克服しやすい、
とされています。

退職ではなく、休職がおススメです。

日本では、病気が原因で休職することは法律で認められた権利でもあり、
こうした理由で休職される方は様々なメリットが受けられるシステムになっています。

例えば、お給料の一部が支払われたり、病気から回復したときに戻れる職場が
確保されている、などです。

このような、補償のある状態で治療に専念できる状態では、将来への不安が減るので、
治療効果が上がりやすくなります。また、復帰する際も、短い勤務時間から段階的に
させてもらえることもできるようになります。

 

パニック障害の方は、真面目で責任感の強い方が多いですから「仕事を休むなんて、
考えられない」「周りに迷惑をかけるなんて、もってのほか」と思われる方も多い
ですが、その考え方を少しでも柔軟にすることで完治がぐっと近づきます。

勤め先にお話して受けて入れてもらえるだけでも、随分気持ちが軽くなりますし、
治療にも良い効果が表れるものだからです。

また、現代社会では誰もがこのような病気になる可能性があるからこそのシステムです。
「お互い様」と考え、システムの恩恵を受けて、しっかり元気になった方が、自分に
とっても、周囲にとっても、実りある将来がうまれるものです。

 

職場に休職を相談する際は、医師の診断書を準備してからにするのがおススメです。
話を受け入れてもらいやすくなるからです。

まずは、信頼できるお医者さんを探して診断書を書いてもらい「お医者さんに休職を
勧められている」と勤め先に相談してみましょう。

パニック障害 完全克服へのステップ3 パニック障害との共存

対処法のアイテムが増えて、自分で発作や体調不良をコントロールできる自信が
持てるようになると、完治したわけではなくても、パニック障害と共存すること
を受け入れられるようになっていきます。

そうなってくると、体調のいいときも増え始め、休職している方も職場復帰について
考えやすい心理状態がつくられていきます。

けれど、良くなったように見えても、体調には波があり、いいときも悪いときもある
のが通常です。

良くなってきたかのように感じていたのに、悪い日がくると、落ち込んでしまいそうに
なるかもしれませんが、それが完治への過程なのだ、と知っておくことが大切です。

(この時期を乗り越えるためにも、セラピーやカウンセリングなど、心をケアしてくれる
専門家と共に完治を目指すのがおススメです。)

 

まずは、安定した生活の中で、発作が出なくなるようになり、体調不良が減っていくこと
が大切ですが、そのように体調が整ってきたら、それまで、治療のために避けていた外出
などに挑戦するステップがやってきます。

人と会う、交通機関に乗る、一日の活動量を上げる、など、負担がかかるイベントを少し
ずつ、体験し、そういった場面でも自分は大丈夫、という自信をつけていってください。

 

こうしていくうちに、自分にどんどん自信がついて、不安過敏になっていた神経が
落ち着き、安心を感じる神経系がどんどん活性化してくれるようになってくれます。

こうしてパニック障害や体調不良、不安について考える頻度が減っていき、日常のことに
ついて、考える時間が増えていきます。

イメージ呼吸セラピーのアプローチ

「イメージ呼吸セラピー」では、上述でお伝えした神経の仕組みを利用し、安心の
神経系を強化させる方法を実践していきます。

1. 自分の外側に起こる映像や音への感度を下げ、自分の内側の感覚へ意識を向けます。
心臓の鼓動が落ち着くように、どう呼吸をしたらいいか、
セラピストにガイドしてもらいながら、呼吸や脈を整え、筋肉をゆるめていきます

そして、セラピストのガイドに沿って、目を閉じ、安心な場所をイメージします。

すると、安心感や心地よさといった感情、体の感覚が呼び起こされるようになります。

安心感や心地よさの感情が感覚がポジティブな思考へと結びつきます

さらに心や体がゆるんで、深い安心感に包まれる感じがします。

この方法でセッション中に心と体がリラックスした感覚を経験してもらい、日常生活の
中でも、この方法で安心感を感じる頻度を増やしていってもらいます。

副交感神経

イメージ呼吸セラピーがいい理由

【呼吸法】

「息を吸って、息を止め、息を吐く」

 

【筋弛緩法】

「筋肉に力を入れて、力を抜く」

 

この2つを連動させることで、効果的に副交感神経を刺激し、頭と心、
体を同時にリラックスさせることができます。

 

体をリラックスさせた状態で「安心するイメージ」をリアルに想像することで、
さらに、安心の神経が強化されていきます。

 

実は、イメージというのは「心のインスタント食品」なんですね。

例えば、悲しいときや気分が落ち込んでいるときに厚い信頼を寄せている人や
愛する人のことを考えると、勇気づけられたり、元気になったりすることが
ありませんか?

これは、私たちが頭や心に抱くイメージが、大きな影響力を持っている証拠
なんです。

 

反対に、まだ現実には起こっていない危険をイメージすると、目の前の状況
とは関係のない不安や恐怖が増幅されてしまいます。

そして、ネガティブな感情は、実際に体内の内分泌系や神経システムに影響
を与え、呼吸や心拍をさらに乱してしまうんです。

最初は架空のイメージに過ぎなかったものが、実際に体の具合を悪くして
しまうことは体の仕組みを理解すると当たり前のことなんですね。

 

イメージ呼吸法で行うイメージの誘導方法はスペインの「神経専門の精神科医」が
体系化したもので、ヨーロッパでは代替医療として病院や個人クリニックで広く
用いられています。

先ほど説明したように、体内では、情報がバトンリレーのようにして1つの神経細胞
から次の神経細胞へと伝わっていき、よく使われる神経系では情報が伝わりやすくなる
一方、あまり使われない神経同士では情報が伝わりにくくなる、という性質があります。

しかし、実際には、もう一つ神経系のルールがあるんです。

それが、脳の状態が、快い、安心な状態にあるとき、不安や動悸、過呼吸を促すような
神経伝達が抑圧され、体や心の状態を静める神経系の情報伝達が強化される、という
ルールです。

イメージ呼吸セラピーでは、安心の情報伝達が強化される状態に脳の状態をもっていってから
安心イメージを想像するんですね。

 

百聞は一見に如かず。

 

パニック障害 完全克服のステップを頭で理解しても、
体験しなければ、何も意味がありません。

 

こちらの記事で『イメージ呼吸セラピー』の無料音声を
ご案内しておりますので、ぜひ、ご活用ください。

パニック障害 不安へ対処するための呼吸法音声

 

おまけ

最後に★パニック障害&不安症の方に絶対おススメのメルマガ★のご紹介です。

パニック障害専門カウンセリング
『nico株式会社』の鈴木社長さんが配信されているメルマガです。

先日お話させた頂いたのですが、本当に人間的な信頼できる社長さんで、パニック障害
の方々が良くなっていかれることを真剣にかが得てくださっていらっしゃる方です。

お話したときの詳しい内容はこちらのアメブロ記事に掲載させて頂いております。

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