繰り返しやってくる「不愉快な感情」、いつものパターン・・・。

そんな感情の根本原因はインナーチャイルドかもしれません。

そもそもインナーチャイルドって、どういう存在なんでしょうか?

インナーチャイルドとは?

インナーチャイルドとは、大人の潜在意識の中にいる「子ども時代に生まれた自分の気持ち」です。

といっても、単なる子ども時代の気持ちではなく、「守ってもらいたかった」「分かってもらいたかった」「安心させてほしかった」のに、それを十分に満たしてもらえず、今も満たしてもらえるのを待っている「子どもみたいな気持ち」です。

つまり、「子ども時代の気持ち」ではなくて、あなたの中に今も存在する「子どもみたいな自分の気持ち」なんですね。

インナーチャイルドのメインは、このような「自分を分かって欲しい気持ち」「自分を受け止めて欲しい気持ち」なんですが、他にも、このインナーチャイルドを守るインナーチャイルドが存在するんです。

一人は、攻撃的な気持ちになってこの子を守ろうとする子。

もう一人は、不安や心配でこの子が行動できないようにして守ろうとする子。

どちらも「分かって欲しい」「受け止めて欲しい」という赤ちゃんのようなインナーチャイルドを守るための防衛インナーチャイルドです。

つまり、インナーチャイルドと一口にいっても、その数は1つではないし、インナーチャイルドの性格にも種類があるというわけです。

複数いるインナーチャイルドの関係性を理解しながら癒していく必要があるのですが、さすがにそれは「潜在意識アプローチ」のプロでないとできません。

なので、この記事ではシンプルに「何度も感じる感情の癖」を遡って、一人のインナーチャイルドの声を聴き届ける方法をお伝えします。

ちなみに、「子どもの頃のあの体験が原因」とインナーチャイルドが生まれた出来事がハッキリ分かっている場合は、下記の記事を参考に「インナーチャイルドとの対話」をしてくださいね♪

 

「インナーチャイルドとの対話」子どもの頃のトラウマ体験を克服する4ステップ 【体験談】

インナーチャイルドとの対話が役に立つのかどうか?

さて、「これってインナーチャイルドが原因だと思うけど・・・」果たして、この記事に載っているインナーチャイルドとの対話をして大丈夫なのか?

という疑問に対してですが、次の項目を参考に、インナーチャイルドなのかどうか、考えてみてくださいね。

インナーチャイルドかもしれないサイン

 

  • 大人になって、何度も何度も、しつこく同じ感情が湧き上がってくる。
  • 「頭では、怒ることではないと分かっていても、強い怒りが湧いてくる」など、目の前に起こっている出来事に比べて、感じている感情が強すぎる。
  • 「抑えなきゃ」と思うのに、理性で感情をコントロールすることが難しい。
  • 特定の出来事に対して、同じような感情を抱くのは、自分の性格だと思い込んでいて「仕方がない」と思っている。周りからも、そう思われているけれど、生きづらい。

インナーチャイルドって、アダルトチルドレンとセットのようなイメージがありますが、実は、自分にとっては些細な事柄でもインナーチャイルドが大人の心に隠れている場合があります。

驚きのインナーチャイルド体験談

例えば、私は、フランスで「コロナ感染予防のための外出制限」がかかっていたときに、こんな「インナーチャイルド」との出遭いを体験しました。

《筆者のインナーチャイルド体験談》

 

実は、私は2020年の春に行われたコロナの外出制限期間がとても辛かったんですね。 (T_T)。

 

私には、2020年時点で3歳の娘がいたのですが、赤ちゃんのときから「子どもの外遊び」を重視した教育方針をとってきました。なので、私が「子どもを外で遊ばせるのが好き」なのは、自分の教育方針のせいだと思ってたんです。

 

そんな中、私が住むフランスでは約2カ月に及ぶコロナ対策のための外出制限があり、とても強いストレスを感じました。そして、そのストレスは「子どもを十分に外で遊ばせてあげられないことが原因だ」と思い込んでいたんです。

 

ところが、あるとき、よく考えてみると「娘が赤ちゃんの頃から、子どもをできるだけ沢山外に連れ出すことに異常にこだわっていた」ということに気づいたんですね。一方、家の中で娘と一緒に遊ぶのが辛く、天気が悪くて外へ出られない日は、いつも気が滅入っていたことにも気づきました。

 

子どもと遊んであげたいと頭では思っているハズなのに「家の中で遊ぶ」というシチュエーションが苦痛で、苦痛で仕方がなかったのです。

 

 

こうして、外に遊びに行けないストレスは、「外遊びが大切、という教育方針のせいではない」ことに、ハッキリと気づきました。

 

そこで、本記事でこれからお伝えする「インナーチャイルドとの対話」を使ったところ、やはりインナーチャイルドに出会うことができました。

 

実は、私は子どもの頃、家に帰るのが好きではありませんでした。

 

小学校の学校帰り、マンションの下でお友達と1時間以上お喋りをして母親に心配をかけたこともあります。「〇時に帰ってきなさいよ」と親に言われても、いつも門限が守れなかったことも思い出しました。頭では「帰らなきゃいけない」と分かっているのですが、何故か、いつも門限を過ぎてしまうのです (~_~;)。

 

子どもの頃は、家におもちゃなどがなく、家でできる遊びもなければ、一緒に遊んでくれるお友だちもいないので、楽しみが一つもなくて単純に家に帰るのが嫌だったんです。

 

自分では、全く気づいていませんでしたが、「家にいるのがイヤ」「家にいても楽しくない」そんな漠然とした『家への嫌悪感』が、家で何でも好きなことができる大人になった後も、昇華されずに残っていたのです。

 

このワークを終えて数年経った2022年の今は、家で、娘と工作やら、絵本よみやら、縫いものやら、楽しくできる遊びが沢山見つかるようになりました♪。

「へ~、そんなこともあるんだ」と思いませんでしたか?

上記の例のように、特定の感情が「まったく関係のない出来事からきている」ということは、かなり頻繁にあることです。

筆者はセッションの中で『インナーチャイルドとの対話』を含め、「潜在意識との対話」を数多く行っていますが、やはり「お金に対する感情」が「親に受け入れてもらえなかった感情」と繋がっていたり、「小さなイライラや不安」が「地震で怖い思いをした体験」と繋がっていたり、頭で考えると無関係に思えていたことが、実は潜在意識の中ではバッチリ繋がっていたことに気づかされることは多くあります。

インナーチャイルドとの対話法

前置きが長くなりましたが、「感情の根本原因を探るインナーチャイルドとの対話法」についてお話します。

この対話法では、不愉快な感情を辿ることが多いと思いますので、辛い気持ちを再体験することに恐れがある場合は、潜在意識の抵抗が働き、うまく対話ができない可能性があることをご了承ください。

少しでも嫌な感じがしたら、自分で対話をするのは止めて、専門家の元を訪れましょう。

ワ―ク前に行うリラクゼーション


不快な気分に沈みこむのを予防するため、体をリラックスさせてから「インナーチャイルドとの対話」を行いましょう。


以下のようなリラックス法がおススメです。

  • ソフロロジーの瞑想ワーク(Youtube瞑想チャンネルはこちら)でリラックス
  • お好きなリラクゼーション・ミュージックや瞑想音声でリラックス
  • 5秒間呼吸を行う(5秒、鼻から息を吸って、5秒、口から息を吐く)

インナーチャイルドとの対話 実践ステップ

ステップ 1 - 気持ちにフォーカス

解消したい、原因を探りたいと思っている感情に意識を向けます。

例:

誰かとの人間関係がイライラする。その誰かを思い出すことで、そのイライラの気持ちを思い出す。

ステップ 2 - 気持ちを頼りに過去の記憶を遡る

ステップ1で感じた「イライラの気持ち」と似たような気持ちを感じた出来事が過去にもあったとしたら、それはいつでしょうか?

5年前、10年前、学生時代、高校時代、中学時代、小学校高学年、小学校低学年、幼稚園、と過去へ遡りながら、思い出していきます。

例:

高校のとき、ある先生に〇〇で怒られたときにイライラした。

中学のとき、部活で自分がミスってイライラした。

小学生のとき、兄弟げんかをして親が兄弟の肩をもったときにイライラした。

幼稚園の頃、幼稚園の先生が自分がした悪戯じゃないのに勘違いで怒られイライラした。

例に挙げたような感じで、時間をどんどん遡っていって、似たような感情を抱いた場面で、一番小さい時の感情へたどり着きます。

ステップ 3 - 対話 子どもの話を聞く

子ども時代の自分に問いかけます。

  • 「どんな気持ち?」と尋ねる。
  • 「何か、聞いてもらいたかったことはある?」と尋ねる。
  • 「本当は、どうしてほしかったの?」と尋ねる。

例:

「どんな気持ち?」 ⇒ 本当は自分がやったんじゃないのに、自分がやったと決めつけられて悔しかったし、悲しかった。
自分が嫌いになった。

「聞いてもらいたいことはある?」 ⇒ 本当は、自分がやったんじゃない。誰がしたかは知らないけど、自分はそこに通りかかっただけ、って言いたかった。勘違いされて理不尽だって、叫びたかった。

 

「本当はどうしてほしかったの?」 ⇒ ちゃんと話を聞いてほしかった。自分の言い分を受け止めてほしかった。

「インナーチャイルドとの対話」というと、インナーチャイルドを見つけた途端、すぐに大人の自分の感性で慰めたり、愛情深い言葉がけをしたりしようとする方がいらっしゃいますが、それでは、インナーチャイルドは癒されないので注意しましょう。

でも、このワークの本質は、「インナーチャイルドの言い分を聴くこと」「インナーチャイルドの言い分が大人のあなたに十分共感してもらえたと感じること」にあります。

もし、インナーチャイルドの言い分を聴いても共感できない場合は、その言い分と同じ気持ちになるシチュエーションを想像して、心から「ああ、その気持ち分かる」という気分になるまで、真剣にインナーチャイルドの話を聴いてあげましょう。

言ってみれば、「大人のあなたがセラピストで、インナーチャイルドがお客様」という関係性です。

インナーチャイルドが共感してもらえたと感じれば、インナーチャイルドは昇華されます。

が、反対に、あなたがインナーチャイルドの気持ちを汲み取れていない場合は、インナーチャイルドとうまく対話ができなくなります。例えば、インナーチャイルドが返答してくれないとか、いくら話しても一向に癒されていかないなどです。

そういったときは「また、来るね」と言って、一旦、現実に戻ってきましょう。

インナーチャイルドの傷つきが深い場合は、やはりプロに任せなければいけないケースもあります。自分で頑張り過ぎることのないように注意してくださいね。

ステップ 4 - 対話 大人の自分からの共感と説明

子どもの気持ちを聞いてあげたら、今度は大人の自分が伝えたいことを伝えます。

  • インナーチャイルドへの共感を示します。
  • インナーチャイルドがしてもらいたかったことをしてあげたり、言ってもらいたかった言葉をかけてあげたりします。
    インナーチャイルドが「こうして欲しかった」と言ったことを満たしてあげる

例:

「自分のせいじゃないのに、自分のせいにされて悔しかったね。悲しかったね。本当は、通りかかっただけだったんだね。君がやったんじゃなかったんだもんね。ちゃんと分かったよ。君が悪戯をしたんじゃない、ってこと。

きっと、先生は、忙しくて勘違いしちゃったのいかもしれないね。でも、先生が勘違いしたのはきみのせいじゃない。君は悪くないんだよ

今は、もう大丈夫。君がしたんじゃないって分かってるし、これからは誰も君を理不尽に勘違いで責めることはないから安心していいよ」

ステップ 5

インナーチャイルドの反応を受け止め、味わう。

(子どもの反応がホッとした、ゆるんだようなものであれば、あなた自身の体感が楽になり、呼吸が楽になります。そうでなかったり、インナーチャイルドに反応がなかったりする場合は、インナーチャイルドに十分共感できなかった、ということになります。)

最後に、インナーチャイルドに「これからも同じ場所に留まるか、自分と一緒に未来に来た方が安心か」尋ねます。

インナーチャイルドとの対話を終えて、現実に戻ってきます。

「インナーチャイルドとの対話」ワークのポイント

「インナーチャイルドとの対話」など、「潜在意識との対話」で最も大切なことは、「体感を伴った感情に丁寧に共感していく過程」です。

「対話」というと、とにかく「言葉のやりとり」に注意がいき、「次に、どんな言葉をかけたらいいんだっけ?」ということばかりが気にする方がいらっしゃいますが、「どんな言葉をかけるか」ではなくて、本当にインナーチャイルドが感じていることを、大人の自分が共感できているかどうか、が重要です。

また、共感したあとに、体感が静まっていくのを待つ時間も大切です。

ということで、それぞれのステップの「体感の伴った感情」を追っていくため、とても時間がかかりますし、集中力がいるんですね。

まずは、専門家の指導を受けてから実践されるのことをおススメします。

インナーチャイルドとの対話がうまくいかない場合

実は、「インナーチャイルドとの対話」をしてもインナーチャイルドが昇華してくれない場合があります。

記事の始めの方でもお伝えしましたが、インナーチャイルドと一口にいっても、その数は1つではないし、インナーチャイルドの性格にも種類があります。

一つの出来事に複数の防衛インナーチャイルドが関わっている場合、それぞれのインナーチャイルドが共感をもらわないとモヤモヤした感覚は取り除けないままとなります。

この記事を読んだだけでも「自分でやるのは難しそう」と感じたり、実際にやってみて「この記事に書かれているようにスムーズには進まなかった」という場合は、やはり経験の多い専門家の元で「インナーチャイルドとの対話」をガイドしてもらった方がいいでしょう。

それでも、インナーチャイルドは適切にアプローチをすれば、必ず癒され、昇華されていってくれるものなので、諦めないでくださいね。

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