「毒親」には、色々なタイプがあります。

あからさまに「肉体的な暴力」をする親もいれば、「言葉や態度の暴力」、或いは、子どもの前で夫婦喧嘩や他人へ暴言を吐く行為を見せたり聞いたりさせる「面前虐待」というケースもあります。

世間的には良識のある「良い親」に見られていても、「子どもの人生をコントロール」したがったり、「子どもの意志や存在を尊重しない・否定」したがったりする親も毒親なんですよね。

何故、こうした親が毒親と言われるのでしょうか?

それは、親が子どもを憎んでいるからではありません。

それどころか、親にとっては「子どものため」と思い込んでいることも珍しくありません。

例え、親に悪気がなくても、親が頑張り方を間違えると、子どもは苦しみを背負って生きることになります。

では、毒親を持った子どもは、大人になると、どんな悩みを抱えるのでしょうか?

あなたにも、当てはまるかどうか、チェックしてみてくださいね!

 







毒親を持った子どもの苦悩

自分の親は「毒親だ」と思っているあなたは、子ども時代、友だちの家に遊びに行ったり、友だちの話を聞いたりしたときに、「あれ?お友だちの家は、自分の家と随分、雰囲気が違うなぁ」と、感じたことがありませんか?

自分の家にいるときは、いつも緊張していて、何かに見張られているような気分でいるのに、友だちの家に来ると、解放されたように居心地がいい、という感覚がありませんでしたか?

子どもの頃は「何となく」しか感じなかった「違和感」も、成長するにつれて、はっきりと「自分の家族の人間関係」が「他の家庭の人間関係と違う」ということを自覚するようになっていきます。

もしかしたら、お友だちや学校の先生などに、自分の境遇を相談をしてみるなど「助けて」のサインを出したのに、満足な対応をしてもらえなかったかもしれません。

結局は、耐えることでしか乗り切る方法がなく、我慢しつづけて大きくなった、ということがありませんか?

そんな、あなたは社会人になり、親元を離れてから「コレで自由になった」と、一度は感じたかもしれません。

しかし、結婚や子育て、ご近所づきあい、職場の人間関係など、青年期を終え、大人としての人生が始まると、改めて毒親の影響が自分の内側に住み着いていることに向き合わなければいけなくなります。

何故なら、潜在意識には「ゆがんだ家族関係・人間関係・感情パターン・思考パターン」の記憶が深く刻み込まれているからです。

この「毒親パターン」を抜いていかないと、「何をやろうとしても、理由は分からないけれども、人生がスムーズにいかない」ということが起こるようになります。

毒親と良い親子関係を築けない苦悩

青年期は「親は鬱陶しいもの」というのが、世間一般的な認識でもあり、親と距離をおくのも、そこまで心苦しさを感じないかもしれません。

しかし、年齢を重ねると「親を大切にするべき」「親孝行をするべき」という社会的な圧力が加わり、「模範的な親子関係」を取り戻そうという努力が始まります。

自分が大人になり、親を一人の人間として見られるようになり、「きっと、親も自分との人間関係を、もっと良くしたいハズだ」と考え、親子関係をやり直そうと努力する人は、とても沢山います。

しかし、毒親と子どもの関係は、子どもの器が大きくなったからといって改善されるわけではありません

親と距離をとったり、連絡をとったり、を繰り返しながら、何度も「模範的な人間関係」を作り直そうと試みますが、関われば関わるほど「自分が苦しくなっていく」ことに、どうしたらいいか分からなくなってくるでしょう。

多くの場合は、そんなときに、「毒親の影響から解放されたい」と心から思うようになるんですよね。

 

毒親育ちの大きな悩みの1つは、「健全な親子関係を育めない」ということ。

多くの毒親育ちが、「社会的良識」と「苦悩に満ちた親子関係」の狭間に苦しみます。

パートナーとの人間関係構築の苦悩

毒親育ちの多くが「愛着(アタッチメント)形成」に、大小の問題を抱えています

「愛着(アタッチメント)」とは、幼児期に、特定の存在(一般的には親)に、一貫してお世話をしてもらうことで、その存在との心理的な結びつきを感じることです。

この「愛着(アタッチメント)」が、うまく形成されることで、人間関係を育むときに相手を信頼できたり、安心して人間関係を育んだりすることができるようになります。

しかし、この「愛着(アタッチメント)形成」に問題があると、特に、パートナーや、我が子など、密な人間関係で、トラブルが生まれやすくなるのです。

信頼すべき相手に対して、

  • 心から信頼できない。
  • 不安や疑いが強くなり、支配的 or 依存的な人間関係を繰り返してしまう。
  • 「どうせ相手は自分を大事にはしてくれない」などの被害妄想が強くなる。

このように、信頼や愛情などに基づいた対等な人間関係を築くことが難しくなります。

結婚相手の家族との立ち位置についての苦悩

毒親育ちにとって、自分の育ちの家庭には「自分の居場所」があったようには感じられません。

そのため、結婚した家庭には、そこが「自分が安心できる居場所」になることを無意識に強く望みます。

しかし、結婚相手の家族との人間関係においては、その義理の家族の雰囲気とは異質な自分を感じ、悩むようになります。

やっと手に入れた「自分の居場所」の拠り所である配偶者が遠のいていくように感じます。

けれども、頭では、義両親や親族との関係は、上辺で何とかうまくしていくべきだと考えているので、感じている疎外感を抑圧して、夫婦喧嘩に発展してしまうこともあります。

我が子への感情のコントロールがうまくできない

最も大きな悩みは、自分の我が子に対する感情のコントロールです。

毒親を反面教師にして「同じことは繰り返したくない」という思いが強いのが毒親育ち。

しかし、その気持ちとは裏腹に、自分の我が子に対して感情のコントロールがうまくいかないことが多発します。

毒親家庭で育った「人間関係の構築パターン」「感情パターン」は、頭でコントロールするだけでは解決できないからです。

「自分がしていることが悪い」と分かっても、それを相談するのも非常に勇気が要りますし、虐待認定をされたら、子どもと引き離されてしまうかもしれません。

安心して相談できる機関もなく、罪悪感を感じながらも解決方法が分からないため、自責の念が強くなります。

毒親から解放されるためのワーク

それぞれの悩みが「人生の幸福度」を著しく下げてしまう「毒親の影響」から解放されるには、どうしたらいいのでしょうか?

私のところに来られるクライアントさんのほとんどが、過去の辛い出来事は、ほとんど覚えていません。

中には「過去の辛くて悲しい過去を思い出して、向き合わなければ解決されない。でも、思い出すのは怖い」と苦悩していらっしゃった方もいます。

しかし、実際には、思い出したくないことは無理して思い出す必要はありません

現在に影響が出ている毒は、現在の感情や体感のに現れており、そこにアプローチすることで、ほぐれていくからです。

つまり、毒親育ちの毒から解放されるためには、「現在の感情や体感をゆるめていく」という方法と、現在の「認知の偏りをほぐしていく」ことで可能になるのです。

毒親の影響を薄める「筋弛緩法」のやり方

自分が逃れたい気持ちや思考、記憶などが出てきたときに、行うと効果的なのが、筋弛緩法。

呼吸法と、体の力を抜く、という方法が合わさっています。

筋弛緩法の基礎的なやり方は、こちらの動画で解説しています。

これを基本に、次のようなワークを行ってみましょう。

大抵のイライラや悲しみや怒りなどは収まっていきます。

※このワークは目をつむって行います。

 

  1. 息を口から吐く。
  2. 息を鼻から吸いながら、拳に力を入れて握りしめ、イライラした激しい気持ちを思い起こす。
  3. 息を口から一気に吐きながら、拳を開き、力をゆるめる。

これらを繰り返します。

 

だんだんと、怒りなどの激しい感情が静まってくるので、それに合わせて、呼吸も柔らかい呼吸へ、拳に込める力も弱い力へと段階的に落としていきます。

 

そして、激しい感情が収まり、体内が静まってきたら、普段の穏やかな呼吸へ戻し、今度は「安心する自然の風景」を思い浮かべながら、その場所の空気を吸い込むイメージをします。

 

認知の偏りをほぐして親の影響を薄めるコツ

「○○しなければならない」

「○○じゃない私は価値がない」

「アレはだめ。これはダメ」

まずは、こうした考えが不意に出てきていないか、チェックしましょう。

もし、「あ、出てきた」と気づいたら、「いつから、そう考えるようになったか?」を思い出してみます。

誰か他人からの影響で、そうなったことを思い出します。

他人からの影響で、そうなったことに気づいたら、今度は、「○○してもいいし、しなくてもいい」と心の中で唱えます。

「価値ある自分でいてもいいし、価値のない自分で生きてもいい」と唱えます。

「アレもいいし、コレもいい」と唱えます。

※3つとも唱えずに、そのとき出てきた考えに合わせて、自分に合ったものを唱えてください。

唱えてみたときに、自分が味わう感情を意識的に感じてみましょう

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