ソフロロジーといえば、日本では「ソフロロジー出産」が有名です。
でも、ソフロロジーはもともと代替医療としてヨーロッパで発展してきた心と体のケアを行うセラピーなんですね。
この記事では、ソフロロジーの本場フランスの労働省管轄RNCPレベル認定ソフロロジストの筆者が、日本ではよく知られていない「セラピーとしてのソフロロジー」について、ご紹介していきます。
出産に関するソフロロジーに関しては、こちらの記事をどうぞ。
ソフロロジストRNCPレベル認定証♪ ⇓⇓⇓⇓⇓

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ソフロロジーの誕生
ソフロロジーはスペインの神経専門の精神科医アルフォンソ・カイセド氏によって1960年に体系化されました。
この名前には3つのギリシャ語が含まれています。
sôs
ソ
調和・バランス
phren
フレン
意識・精神
logos
ロゴス
思考・言葉
ソフロロジーの創始者カイセド氏が医師として活躍していた時代、神経症に対する治療法は、電気ショックなど患者さんに負担の大きいものばかりでした。
こうした状況を何とかしたいと思った医師によって開発されたのがソフロロジーです。
ソフロロジーの創始者カイセド氏によって、ソフロロジーは次のように位置づけられています。
« La sophrologie est une science qui étudie la conscience en équilibre.
C’est une discipline pour le développement des valeurs de l’être, inspirée par la phénoménologie existentielle »
ソフロロジーは、バランスのとれた意識(心と体、思考)とは何か?を研究する学問」である。たm
また、「人としての『存在と意識の関係』をどう捉えるか?という「現象学」に影響を受けて生まれた「自分に価値を感じる意識を育てていくためのメソッド」である。
フランス語を翻訳すると、少し表現が理解しにくいですよね。
ソフロロジーの実践は、ソフロロジストのガイドにより、呼吸へのアプローチから、自分の体感や感情を自覚していくプロセスによって「意識や精神のバランスを整えて」いきます。
その結果、様々な要因によって損なわれた「あなたの体に宿る自然の回復力」が活性化され、困った症状が消えていくのです。
ソフロロジーの創始者 精神科医カイセド
創始者であるアルフォンソ・カイセド氏は、1932年にコロンビアで生まれ、その一生のほとんどをスペインで過ごされたスペイン人。
そのため、ソフロロジーについての研究と実践は、主にスペインで行われました。
ソフロロジーが広く認められたのは、1970年にバルセロナで開かれた世界的な学会で発表した後のことです。
☆ソフロロジー発展の歴史☆
1960年 – カイセド氏が自らのメソッドを「ソフロロジー」と名付ける。
1970年 – 世界、42か国から1500人近くの医師が集まったバルセロナの学会でカイセド氏がソフロロジーを発表。この学会でソフロロジーが世界的に公認される。
1974年 – パリにて、医師免許を持たない一般の方向けにソフロロジー講習会開催。(それまでは医師の間のみで実践されていた。)
1977年 – 医師免許を持たない者がソフロロジスト(セラピスト)として実践できる体系が確立。
カイセド氏はこの後、自分の思想哲学や価値観をソフロロジーの実践へ取り入れるようになっていきました。
しかし、医療目的のメソッドによって個人の思想・宗教の自由が侵されてはならないと考えた専門家たちの間で反発が起こりました。
結局、カイセド氏は、その後、学会で支持されなくなり、やがて、医療ケア目的が主となる初期のオリジナル・ソフロロジーに忠実な実践を唱える「ノンカイセド派」がパリで勃興しました。
こうした経緯から、ヨーロッパの中でも、フランスはソフロロジーの実践が最も進む国の1つとなっているのです。
ソフロロジーは、カイセド氏が現役で活躍していた時代から、様々な分野に用いられ、近年も、その活躍の幅を広げています。
例えば、癌闘病生活の方のサポート、スポーツ選手のメンタル・トレーニング、出産、耳鳴り、感情やストレス・マネジメントなどです。
- 仕事や日常のストレス、苦手の克服。
- 子どものメンタル・ケアや、あり余るエネルギーの発散。
- 思春期・老年期における心身の変化からくる不安症状の鎮静。
- 闘病中の痛みの緩和や生活の質の向上と、前向きな闘病生活の実現。
- 試験やコンクール、オーディション、出産などの特別なイベントをスムーズに迎えるためのメンタル・トレーニング。
- アルコールやタバコ依存症などの克服。
- 飛行機や乗り物、蜘蛛への過度な恐怖など、生活に支障をきたす恐怖症の克服。
- 集中力UP。
- 不眠の解消と睡眠の質の向上。
- スポーツ選手のメンタル・トレーニング(オリンピック選手なども使われています)。
- 精神的な自己啓発。
- 耳鳴りの治療。
主にヨーロッパ(フランス・スイス・ベルギーなど)で広く実践されており、英語圏に持ち込まれたのは、その後のことです。
ソフロロジー・メソッドの仕組み
私たちの体は、外側からの刺激をキャッチし反応する仕組みを持っています。
この仕組みがあるおかげで、環境に大きな変化が起こっても、臨機応変に適応しながら生きていくことができます。
しかし、外側の環境に起こる出来事は、いつも嬉しいものばかりではありませんよね?
ストレスの中には、自分で向き合えるものもありますが、あまりにもストレスが大き過ぎて自分一人で抱えることが難しい場合もあります。
そして、ストレスが大きすぎると体が耐えられる容量を超えてしまい、体調不良や心の不調をきたすことになってしまうんですね。
そんな「キャパオーバーしてしまったストレス」の影響を最小化し、あなたの「ポジティブな力の源」となっているものを引き出し、「柔軟な適応力」を取り戻していくのがソフロロジー・メソッドです。
ソフロロジーの手法 3つのポイント
ソフロロジーの実践においては、次の3つの感覚に意識を向けることがポイントとなります。
- 「穏やかな呼吸」を感じる
- 「ゆるんだ体の感覚」を感じる
- 気持ちのいいイメージから受け取る「安らぎの感覚」を感じる
現実にストレスとなる出来事が起こっても、常に、心と体がリラックスした状態を維持できれば、あなたは心も乱れず、体の不調も起こさずに生きられます。
何が起こっても、自律神経系のバランスが乱れなければ、大丈夫なのです。
そして、ソフロロジー・メソッドでは、それが可能になります。
このメソッドの背景には、どのような「体の仕組み」があるのでしょうか?
ソフロロジーと「ストレス」「リラックス」の仕組み
心と体の「ストレス反応」と「リラックス反応」には、自律神経系が深く関係しています。
とても大雑把にいうと、次のような仕組みになっています。
自律神経系
- 体に「ストレス反応」を起こすための指令を送る「交感神経系」
- 体に「安らぎ反応」を起こすための指令を送る「副交感神経系」
「交感神経系」と「副交感神経系」を合わせて『自律神経系』と呼び、この「自律神経系」のバランスを整えることが、ストレス対処の鍵となるんですね。
そして、「自律神経系」のバランスを整えるのに『呼吸』が、とても重要な役割を果たします。
大雑把にいうと、息を吸うときには「交換神経系」が活性化し、息を吐くときには「副交感神経系」が活性化します。
「息を吐くことによって、心や体の緊張がゆるむ」ということです。
世の中には、「5秒吸って、5秒吐く呼吸」や「4秒吸って、6秒吐く呼吸」など、様々な呼吸法がありますが、「自律神経系の状態を、どのバランスへ持っていきたいのか?」という目的によって、「息を吸う時間:吐く時間」の比率が変わってくるのです。
ソフロロジーでは、基本的には「鼻から息を吸って、口から細くゆっくりと息を吐く呼吸」を行います。


吐く息へ意識を向けて、心や体をゆるめ、静めていくんです。また、呼吸をゆるめながら、体の筋肉の硬直を解くことで、さらに「副交感神経」を刺激して、リラックスした状態へと導いていきます。
それでは、イメージは何のためにあるのでしょうか?
ソフロロジー 「イメージ・ワーク」の効果
先ほども言いましたが、私たちの体は、外側からの刺激をキャッチし反応する仕組みを持っています。
そして、外側からの刺激の中でも「視覚からの刺激」つまり、「イメージ」「画像」というのは、とても大きな影響力を持ちます。
「怖いイメージ画像」を見れば、恐怖を感じますし、「なごむイメージ画像」をみると、気持ちや体がゆるむようになっています。
実は、それは「現実のイメージ」でも、頭の中に思い描いた「架空のイメージ」でも変わらないんですね。
何故なら、脳は「現実の映像」も、「想像した架空の映像」も、区別をつけずに処理しているからです。
想像の世界が脳で処理される仕組み
脳の情報処理は、映像(イメージ)については「視覚野」で、音については「聴覚野」で、匂いについては「嗅覚野」で行われています。
そして、それらは、映像や音や匂いが架空のものであっても、現実のものであっても、関係ありません。
現実の映像でも架空のイメージ映像でも、脳が映像を見ると「視覚野」が、音を聴いた気がすれば「聴覚野」が、匂いを嗅いだ気がすれば「嗅覚野」が刺激されることになるんですね。

つまり、リラックスできるイメージをすると、実際に「体にリラックス反応」が引き起こされる仕組みになっているのです。
こうした、体の仕組みを効率的に活用できるように体系化したものが「ソフロロジー・メソッド」です。
そのため、ストレスな出来事が隣で起こっていても、リラックスした状態を保つことができるようになるのです。
日本で有名なソフロロジー出産については、こちらの記事をご参照くださいね。
ソフロロジーのアプローチ
ソフロロジーは、こうした体の仕組みをうまく利用しながら、体を使って、心を安定させていきます。
ヨガ
まずは、「体の感覚に気づく力」を養います。
これは「インドのラージャ・ヨガ」に影響を受け、呼吸法を用いたボディワークをしながら、体の感覚に気づいていきます。
体をゆるめ、緩んだ自分の「体の存在」に気づきます。
呼吸法やボディワーク、という点から「ヨガとの違い」を不思議に思う方もいらっしゃいますが、ソフロロジーは「ボディワークをしながら、体をほぐしていくこと」が目的ではなく、「ボディワークをしながら、体をほぐし、ゆるんだ体の感覚を感じることによって、自分の肉体の意識に目覚める」ことを目的としている点が、大きく違います。
「体の意識」とは何か?
ということは、体験して初めて分かることなので、記事を読むだけだと分かりにくいかもしれませんね。
頭で「自分には体がある」と知っている状態ではなく、感覚を通して「体の営み」が「自分の意志とは別のところで存在している」ことに気づいて頂きます。
チベット仏教
「体の存在」に気づいたら、今度は、「自分を、取り巻く環境の一部としての存在」、「時間的な流れの中の今に存在する自分」というものに気づいて頂きます。
ストレスが高い状態では、神経系の働きによって、「自分への見方」が偏っています。
「自分は脅かされている、被害を受けている」「自分は劣っている、できない、不安だ」などですね。
呼吸によって、意識のバランスを整えると、広い視野がもてるようになります。
そこで、ストレス状態では気づけなかった「あなたの勇気の源」や「自信の源」を、「過去や未来」に意識を向けたり、「取り巻く環境の中で自分を支えてくれている存在」に意識を向けたりすることで、気づいて頂きます。
そうすることで、自分の存在が、大きの問題の前にある小さな無力な存在ではなく、より大きな力有る存在として捉えられるようになります。
そうした「気づきが得られる精神状態へガイドしていく」のがソフロロジー・メソッドです。
日本の禅
外側からの刺激、自分以外の存在に気が散っている状態から、意識を自分の中心へ集める力を育みます。
日本人には馴染み深い精神統一の手法です。
何か嫌な出来事が起こったときに、その出来事に意識を捉われるのではなく、自分の内側に意識を集中させることで「心の安定」を築いていきます。
座禅とは、外で何かが起こっていても、立ち上がって反応することなく、座して、自分の内側に波紋を立てない状態を保とうという瞑想ワークです。
ソフロロジーには、そうした禅の瞑想法などが、素人にも実践しやすいような形で取り入れられています。
具体的にすること
具体的には、ソフロロジストのガイドで体の力を抜く簡単なボディワークをしたり、座って瞑想ワークをしたりします。
そして、それぞれのワークが終わった後に、「自分が感じていること」「自分への気づき」へ意識を向けます。
フランスでのソフロロジーの発展
フランスとスイスにソフロロジーを広めたのは、カイセド氏の友人でもあった精神分析と東洋医学を専門とするスイスの医師アブレゾル氏(Raymond Abrezol)でした。
最初は、「出産」と「スポーツのメンタル・トレーニング」の分野で取り入れられ、2000年代に入って、その他の分野でも取り入れられるようになっていきました。
2011年以降、フランスでは、慢性病を抱える方、特に癌闘病患者に対して「患者の会」や「医療機関」からソフロロジーが勧められることが多くなっています。
ソフロロジーは治療目的ではなく「医療ケアの補助」という位置づけで活用されます。癌治療の代わりになるわけではありませんが、同じ治療をしていても、治療効果を引き上げたり、治療中の人生の質を上げることができます。
その他、企業スポーツやソフロロジー出産の分野で広く取り入れられています。
2018年、フランス全土のソフロロジストは約1万人以上とされています。
複数の省庁が管轄する「Centre de ressource documentaires ministériel」の2019年度版では、ソフロロジーが「心身症に関する医療」「行動医療」「催眠療法」らと同じくくりの中に位置づけられ、医療セラピーとして認められました。
日本で有名なソフロロジー出産については、こちらの記事をご参照くださいね。
ソフロロジストの資格
フランスでは、フランス労働省管轄の組織「France compétance」が発行する全国職業資格総覧(Repertoire National des Certifications Professionnelles:以下 RNCP)というものがあります。
RNCPに登録されている学校は、その学校で教える内容のレベルが国家が決めた一定レベルを超えていることが認定されており、RNCPに登録されている資格者は、その職業技術レベルが国家が決めた基準に達していることが認定されています。
2022年4月時点では、RNCPに登録されているソフロロジスト養成校は4校となっています。(5年ごとに監査が入ります。)
ちなみに、私はRNCP認定ソフロロジストですが、元々、RNCP認定校の出身でもあります。
西洋の医学と、東洋の文化的知恵が融合したソフロロジー・メソッドの歴史、いかがでしたか?
さて、ここからは、ソフロロジーが、どんな分野で活躍しているのか、お伝えしていきますね。
多岐に渡りますので、興味のあるところだけご覧ください。
ソフロロジーってどんなことに効果があるの?
ソフロロジーが効果的とされる目的は大きく4つに分けられます。
Ⅰ 日常のストレスを手放し、より豊かな毎日を送れるようにする。
Ⅱ 試験やスポーツ、出産などのイベントに向けたメンタル・トレーニング。
Ⅲ 闘病をされている方のストレスケア、メンタルケア、痛みの緩和と治療効果の促進。
Ⅳ 依存症や恐怖症、摂食障害などからの解放。
Ⅰ 日常的なストレスを解消して、自分らしい人生・生活を取り戻す
仕事・過労・燃え尽き症候群などのストレス・ケア
現代生活の中で一番のストレスといえば仕事ですよね。
転職、部署移動、または会社の上司や経営者の入れ替わりなどは大きなストレスになります。
そんな時はもちろん、近年は人件費削減のため少ない人材で大量の仕事をこなさなければならない状況も増えています。
そんな状況下での働き過ぎや燃え尽き症候群(バーン・アウト)の方のストレスケアはソフロロジーの大切な役目となっています。
感情のコントロール
感情の乱高下が激しいと感情に振り回されて本来の自分を見失ってしまうことが多く、家族や同僚と衝突することが多くなるなど、人生全体の幸福感が損なわれてしまうことがあります。
また、特定の不愉快な体験によって特定のことに関して強い苦手意識が育まれてしまう場合があります。
自分が感情の主となって感情をコントロールできるようになり、日常生活の質を上げるための手法としてソフロロジーは広く活用されています。
睡眠の質の向上
ストレスや不安は睡眠の質に表れやすいものです。
不眠症状の改善にソフロロジーは広く活用されています。
不眠症状とまでいかずとも、寝つきが悪い、寝て朝起きても疲れが取れない、そんな睡眠の不満を訴える方は現代とても多くなっています。
ソフロロジーを実践することで質の高い睡眠を取り戻し、日々の生活の質を向上できることが知られています。
50代以降の人生の黄昏期を謳歌するため
一定の年齢を超えると、何事も若い頃のようにはいかなくなります。
「頭の中は若いのに体力は衰えてきた」或いは「体はまだまだ元気なのに定年退職で生き甲斐を失ってしまった」そんな心身のアンバランスを来すこともあります。
また、人生を共に生きてきた同世代の友人が病に倒れたり、天命を終えるという話題も耳にすることが増え、今後の人生に対する見方が大きく変化します。
そんな中で、人生に対する価値を今一度再構築し、自分軸を確かにしながら、より豊かな人生を送るためにソフロロジーは広く用いられています。
Ⅱ 試験や試合、出産など大切なイベントに向けたメンタルトレーニング
ソフロロジー出産
ソフロロジー・メソッドを用いて出産準備をすることで、痛みを軽減し落ち着いた穏やかな出産を向かえることができます。
ソフロロジー出産についての詳しい記事はコチラをご覧ください。
入試や資格試験、運転免許など、人生にとって大一番で最大限の力を発揮するための準備
人生で大切なイベント、プレッシャーがかかる試験などで緊張せず、本人がもっている最大限の力を発揮できるようになるためのメンタルトレーニングとしてもソフロロジーは高い効果が知られています。
大学入試(フランスではバカロレアという大学入試に相当する試験があります。)や運転免許試験、会社の面接、学会発表など、大きな緊張が伴う場面で、緊張せずに持てる最大限の力を発揮するためにソフロロジーを活用する方は多くいらっしゃいます。
スポーツのパフォーマンス向上とメンタルトレーニング
オリンピック選手などが大会に向けてイメージトレーニング、メンタルトレーニングをされている話は皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?
ここ一番という試合の大切な場面で緊張する。
そんな理由で元々持っている力を発揮できないのはスポーツマンにとってとても辛いことです。
プロのスポーツ選手だけでなく、趣味でスポーツをしている方もソフロロジーを活用してメンタルトレーニングをしている方は多くいらっしゃいます。
人前で話すことの苦手克服
仕事柄人前で話すことが必要だけれども人前で話すことが苦手で困っている、または人前で話すことが苦手なために人生でのステップアップを諦めている、そんな方にもソフロロジーは広く活用されています。
Ⅲ 病をお持ちの方のQOLの向上と治療補助。
※ソフロロジーはあくまで治療補助としての効果となりますので、医学的な治療の代替とはなり得ません。
癌との闘病
癌との闘病は治療自体、患者さんへの負担が大きく、治療しなければいけないことが分かっていても、その治療に前向きな気持ちになれないということはよくあります。ソフロロジーは、そういった治療の副次的なデメリットを軽減し、治療によって落ちてしまった生活の質の向上をサポートする効果があることが知られています。
鬱病・鬱的症状
現代は様々なストレスによって鬱的な症状を抱えてしまったり、鬱病になってしまう方も増えています。ソフロロジーは治療手段ではありませんが、鬱病を改善するために心理療法を行っている方の治療効果を高め、早期回復をサポートするために広く活用されています。
※一時的な鬱の場合はソフロロジーのみで対応できる場合もありますが、重症度によっては医師にかかっていることが前提となる場合もあります。
皮膚病
皮膚は人目に触れることの多い部分です。
皮膚病を患っている方はその病の不快症状とは別に皮膚病が人目に触れるということからくるストレスを抱えている場合も多くあります。
また、ストレスから皮膚病を発病したり、悪化したりすることもあります。
ソフロロジーには、そんな皮膚病にまつわるストレスを軽減し、皮膚病によって落ちてしまった生活の質を向上させる効果があることが知られています。
耳鳴り
耳鳴りを患っていらっしゃる方は、とてもストレスの高い生活を強いられています。
耳鳴りの治療研究では、ソフロロジーは耳鳴りの治療に効果があることが発表されています。
Ⅳ 依存症や恐怖症、摂食障害などの改善。
摂食障害、公共交通機関への恐怖症、その他の恐怖症、ギャンブル・タバコ・アルコール依存症などから脱出するためにソフロロジーのサポートが効果的であることが知られています。
※状況が深刻な場合には医師にかかっていることを確認した上でソフロロジーを実践頂くことになります
グループ・セッションもできるソフロロジー
フランスでソフロロジストが活躍する場は、個人が運営するセラピー・クリニックだけではありません。
次のような施設でもソフロロジーが多く活用されています。
施設 | ソフロロジーが用いられる主な目的 |
幼稚園・小学校 | あり余るエネルギーの上手なコントロール。集中力の向上。体育やレクレーションのあとに気持ちを切り替えて落ち着きを取り戻して授業に臨めるようにするため。 |
中学校・高校 | エネルギーのコントロール。思春期特有の不安定な感情ケアやストレスケア。試験へのプレッシャーをコントロールし、学業への集中力を上げるため。記憶力の向上。 |
会社 | ストレスケア。疲労回復。集中力の向上。モチベーションの向上。 |
産院 | ソフロロジー出産。 |
病院 | 闘病患者のストレスケア。メンタルケア。痛みケア。治療効果を向上させるための補助。 |
スポーツクラブ | 試合の成績向上。メンタルトレーニング。 |
老人ホーム | 老い対するストレスケア。メンタルケア。痛みの緩和。記憶力の向上。 |
フランス以外でも、スイスやベルギーではソフロロジーが盛んです。
特にベルギーでは、義務教育に関わる教師全員がソフロロジーの研修を受け、生徒にソフロロジーのエクササイズを施せる仕組みが整えられています。
そのため、ベルギーの子どもたちはソフロロジーのテクニックを「自己コントロール」や「自己理解」に活用することができ、彼らの将来が楽しみだなと思います。
呼吸療法「ソフロロジー」については、コチラから資料もダウンロードできます。
ダウンロードのためのパスワードは「sophro」です。