妊婦すると「嬉しい!」反面、出産についての不安も出てきますよね。どんな出産をしたいかによって産院選びも変わってきますし、出産方法について考えるとき、できるなら痛みの少ない出産方法がいい、という思いも出てくるかもしれません。

自己催眠出産(ヒプノバーシング)を話題にしているこの記事をお読みになろうとしているあなたもその一人かもしれませんね。

大丈夫です。

日本ではまだ体験者の少ないこの出産方法について、フランスで出産した私のヒプノバーシング(自己催眠出産)の体験談をまるごとご紹介します。「これから出産を向かえる」 「自分に合った出産方法を探している」 そんな方におススメしたい記事です!

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ヒプノバーシング(自己催眠出産)の恩恵

本当に痛みはなくなるの?

答えは「イエス」。

本当に痛みはほとんどなくなります。体験したことがない人は信じられませんよね、きっと。

正直、私も陣痛がくるまで自分が準備してきた「自己催眠」で本当に痛みがなくなるのか心配でした。

でも、本当に痛みは感じませんでした!!!

誰にでもできるの?

誰にでもできます。

催眠というと、特別な能力を持った人だけが操れる怪しげなテクニックというイメージが世間にはありますよね。

けれど、本当は、実は脳科学をもとにした、れっきとした意識のコントロール法なので、誰でもきちんとした訓練をすれば自力で催眠状態に入れるようになります!!!

副作用はないの?

ありません。

薬ではないので、副作用はありません。また、催眠状態であっても眠っているわけではないので、自分の周囲で起こっていることは理解できている状態です。つまり、産院の医療スタッフや立ち合ってもらう家族がいれば、それらの方々ととコミュニケーションが取れるようになっています。

便利でしょ~?

産院を選ばなければできないの?

ヒプノバーシング(自己催眠出産)は、本人さえ自己催眠の技術を習得していれば、どんな産院でも可能です。

とはいえ、ヒプノバーシング(自己催眠出産)による出産に立ち会ったことのない医療スタッフさんの中には、一般の産婦さんに比べ痛みが少なく、眠っているかのように見える自己催眠中の産婦さんを心配して声をかける人もいます。

自己催眠状態で出産をしている状態を妨げられないように、医療スタッフには予め伝えておくことをおススメします。

また、ヒプノバーシング(自己催眠出産)に興味を持たれる妊婦さんは、自然分娩を推進している産院の方が医療スタッフとの相性が良いのではないかと個人的には思います。産院を選ばれるときは、産院の理念なども参考にされると満足の出産体験になりやすいでしょう。

その他の恩恵

すこし専門的な話をすると「妊婦は潜在意識を通じて胎児とコミュニケーション」を取っています。

私もそのことは知ってはいたので、お腹の中にいる娘に話しかけるようにしたり、娘のことを考えたりするようにはしていましたが、残念ながら果たして娘にそのことが伝わっているのかという点について確信できずにいました。でも自己催眠の練習中は決まって娘の胎動がとても活発になり、何かコミュニケーションが取れているのだなと実感することができ、とっても幸せな気分になれたんですよね。

胎教という言葉があるように、胎児期から母子の絆を育むことは、出産だけでなく、その後の子育てをスムーズにしてくれます。

母親が赤ちゃんとの心の絆を大切にし、赤ちゃんが「母親に受け入れてもらえている、愛してもらえている」と安心できることは心穏やかな子育ての第一歩になりますよ。子育ては妊娠中から始まるんですね。

ヒプノバーシング(自己催眠出産)をするための準備

講習

ヒプノバーシング(自己催眠出産)の講師から2、3回の講習を受けて自己催眠のテクニックを習得します。一度身につけた自己催眠のテクニックは出産時のみならず一生使えます。もちろん二回目以降の出産にも使えます。

費用

1回の講習にかかる費用はおよそ8000円~1万円程度。グループ講習などに参加することができれば、費用を安く収めることができるようです。

自主練

講習を受けた後は、講師に催眠誘導をかけてもらわなくても、自分で催眠誘導ができるように自己催眠のテクニックを自宅で練習する必要があります。 練習は一日に一回で十分です。一回にかかる時間は10~15分くらいです。

ヒプノバーシングの催眠状態はどういう状態?

「ヒプノバーシング(自己催眠出産)」の催眠状態とは、そもそもどういう状態なのでしょうか?

それは、眠りに落ちる寸前のようなウトウトした「深いリラックス状態」のことです。 覚醒状態(目が覚めている)から眠りの状態へ近づけば近づくほど、私達の意識は「顕在意識」から「無意識」へと近づいていきます。でも、完全に「無意識」になってしまったら眠っていることになってしまいます。ですから「顕在意識」を完全に失わずに「無意識」の存在を感じられる状態、つまり意識が少し朦朧として夢と現実が混在する一歩手前というのが「ヒプノバーシング(自己催眠出産)」で使われる催眠状態なんですよ。

私が体験した催眠状態

催眠状態というのは練習すればするほど、すばやく催眠状態に移行でき、またより深い催眠状態に達することができるようになります。ちなみに、私が体験した催眠状態は以下のようなものでした。

《一回目の自己催眠講習のとき》講師による催眠誘導にて。

  • 催眠状態への移行中、特に感覚的な変化はなし。
  • 自分がセッションの部屋の椅子に座っているという感覚は催眠中もずっと継続。
  • 現実の感覚はなくならず、ただ頭の中に何かとりとめもないイメージが浮かんでくる感じ。

《二回目の自己催眠講習のとき》

  • 催眠が始まると同時に後頭部がしびれたように重くなり、後ろへ倒れていくような感覚を覚える。
  • 現実の空間的な感覚(自分が部屋の中にいて、椅子に座っているという感覚)がなくなる。
  • 異空間、空間に仕切りがなく、例えていうと雲の上のようなだだっ広い白い所にぽつんと一人でいる感覚になる。

自己催眠のテクニックをしっかりと身につけると、下記、ご紹介するような催眠誘導のための言葉がなくても瞬間的に催眠状態へ移行できるようになります。

実際に私も出産を迎えるまでには、催眠誘導の言葉を唱えなくても、催眠状態をイメージするだけで簡単に催眠状態へ移行することができるようになりました。それができるようになると陣痛の波を感じたらすぐに催眠状態へ移行していきみ逃しが一瞬でできるようになるんですね。

これはとっても便利。出産が終わってもう何年も経ちますが、何かしら痛みに耐える必要があるときは、私は今でもこの状態へ即移行しています。

「催眠状態」についてのまとめ

自己催眠で達した状態は次のような状態でした。

  • 後頭部がしびれたように後ろに倒れていくような感覚。
  • 時差ボケで、あり得ない時間帯に抗えない睡魔に襲われるような感覚にも似ています。
  • 自分の呼吸がゆっくり深くなっていくのが分かります。
  • まぶたが重くなり、自然と閉じます。
  • 睡魔に導かれるまま眠りの世界へ入り、けれど、どこかで意識が覚醒していて、周囲で起こっていることもぼんやりと把握している感覚になります。

催眠の深さによって感覚は変わってくるのですが、うまくいけば、自分がいるところが部屋や家などであるという感覚がなくなり、白いどこでもない空間に自分がぽつんといるような感覚になっていきます。

心の中での旅が始まると、夢を見ている時のようなイメージが湧き上がってきくるようになります。

講習の具体的な内容

「ヒプノバーシング(自己催眠出産)」でいう催眠状態というのは、眠りに落ちる寸前のようなウトウトした状態を言います。

けれど、意識が完全に覚醒している真昼間から「今、ちょっとウトウトした状態になってみてくれない?」と言われても普通は戸惑いますよね? これを可能にするのが「自己催眠」というテクニック。

「ヒプノバーシング(自己催眠出産)」の講習では、どんなに意識が覚醒していても、ウトウト状態へと即座に移行できるように訓練していきます。

ここからは、私が受けた講習の中で具体的にどのようなことをしたかをご紹介しますね。

講習では、まず講師が私の無意識をプログラムします。「陣痛の到来と同時に必要なエネルギーが私の中に湧きあがり、恐れずに出産へ挑めるようなプログラム」です。

最初はプロの講師から催眠術をかけてもらったんです。そうすることで、催眠状態とはどんな状態か、どうやって移行するのか体が覚えてくれます。

ヒプノバーシング 催眠誘導の言葉 【体験談】

講習で私が催眠状態へ導かれたときのことについてご紹介しますね。これは初めての「自己催眠講習」のときの体験談です。

まずは居心地の良い椅子に腰をかけて目線は真っすぐより30度くらい上を見上げ、ぼんやりとあたりを眺めるようにします。手は膝の上に軽くのせておきます。

講師: 「いま、あなたは腰掛け椅子に心地よく座っています。
あなたの目には窓が見えているでしょう。
天井も見えているでしょう。
白い壁も見えているかもしれません。

耳には外を走る車の音が聞こえてきます。
子どもたちの声も聞こえているでしょう。
私の声も聞こえています。

あなたは膝の上にのせている自分の手のぬくもりを感じています。
背中に椅子の背もたれの感触があるかもしれません。
お腹の中の子供が動くのを感じているかもしれません。

あなたの目には白い壁が見えているかもしれません。
窓から差し込む光が見えているかもしれません。

あなたの耳には窓の外の人の声が聞こえているかもしれません。
あなたの心臓の鼓動が聞こえているかもしれません。

あなたは膝の上にのせている手のぬくもりを感じています。
部屋の匂いを感じているかもしれません。

目を閉じたければ、閉じても大丈夫です。

いま、あなたの目にはまぶたをの向こうにある光が見えているかもしれません。

あなたの耳には私の声が聞こえているでしょう。

お腹の子どもが動くのを感じているかもしれません。

今、あなたは心の中にある秘密の庭を散歩しています。 緑があり、花が咲いているかもしれません。 あなただけが知っている心の中の秘密の庭を散歩しています。 もっと深く、庭の奥へと進んでいきます。

Manamyの無意識へ(呼びかけ)、深い敬意と共にお願いします。 Manamyにその時が来たら、出産に必要なエネルギーの源を解放してください。 必要なエネルギーをManamyが受け取れるようにしてください。

これから2分間、Manamyは出産に必要なことを学ぶための旅をします。 Manamyの無意識へ(呼びかけ)、ありがとうございます。」

このあと数分間、催眠状態のまま待ち、いつもの顕在意識の状態に戻ってきて私は目を開けました。

初めて催眠を受けた時の感想

この催眠をかけられている間、感覚的には特に何も変わりませんでした。もっと言うと、催眠がかかったふりをしなければいけないような気さえしていました。

実は、過去に催眠術のショーを見に行ったことがあったのですが、その時の驚きの体験に比べると(※集団催眠にて「組んだ両手を離そうとしても離れなくなる」という催眠を受けたときのこと。)、普段と変わったことは何も起こらなかったので、ちゃんとかかっているのか?と逆に不安になりました。

私は催眠というものに対して非日常的なものだという強い思い込みがあったのですが、この催眠では、講師に言われるままに空想の世界に浸ってみただけという感じで、特に変わったことは何も起こらず、腑に落ちなかったため、催眠後に講師へいろいろと質問をしてみたくらいです。す

ると講師から次のような返事が返ってきました。

「あなたは催眠がかかりやすい体質ね。2分で催眠状態に入ったわよ。催眠状態に入ったかどうかは呼吸の仕方やまぶたの動きなどで分かるの。今日、私はあなたの無意識に、出産に必要なものをあなたが受け取れるようにお願いしたのよ。あなたの無意識はとっても理屈っぽいわね。でもあんまり分析せずに、なすがままに任せることがとても大切よ」

まず、2分で自分が催眠状態に入っていたということにとても驚きました。

自分の呼吸の仕方が変わったことには気づきませんでした。でも、確かに身体的にも精神的にも力が抜け、緊張状態が解け、リラックス状態に入ってはいたのは分かりました。催眠状態=リラックス状態ということを先に理解しておけば疑問を抱くこともなかったかと思います。

ともあれ、初回セッションが終わり、次回のセッションまでに自宅で次のような練習をして、自分を催眠誘導できるようにしていくように教わりました。

自己催眠 自主練のための言葉

自分を催眠状態へ導く言葉は意外とシンプルです。
「3つ、目に見えるものを言う。   3つ、耳に聞こえるものを言う。3つ、感じているものを言う。

2つ、目に見えるものを言う。 2つ、耳に聞こえるものを言う。 2つ、感じているものを言う。

1つ、目に見えるものを言う。 1つ、耳に聞こえるものを言う。 1つ、感じているものを言う」

この催眠誘導のための文言は、最初は声に出して言ってもいいし、慣れてきたら頭の中で唱えるだけでもいいとのこと。そして、この文言を言い終わり催眠状態へ移行した後は、心の世界を散歩しながら、次の文言を心の中で唱えるように教わりました。

「私の無意識へ、深い敬意と共にお願いします。来たるべき出産の時、私が必要とすることをすべて教えてください。今から2分間、私は出産に必要なことを学ぶ旅をします。 私の無意識へ、ありがとうございます。」

練習は1日に1回で十分。 やり過ぎないこと。という教えを受けて初回セッションを終えて帰宅の途についた私なのでした。

自己催眠へ誘導する言葉について ~ 無意識のお話

私たちの脳には顕在意識と無意識があります。

無意識ではどういう情報が処理されているのかというと、私たちにとってあまり大切ではない情報です。 例えば周りの雑音がうるさいカフェの中で、お友だちとお喋りをしているときに、私たちの耳に雑音は聞こえていないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。耳の鼓膜は周りの雑音をひろっています。お友達の声も同じようにひろっています。

ただ、お友だちとお喋りをしているときは、雑音は重要性が低いと判断され無意識で処理されるようになり、お友だちの言葉だけが顕在意識で認識されるようになります。こうして情報が無意識と顕在意識に振り分けられることによって、私たちは混乱せずにお喋りを続けることができるんですよ。

ぼんやりとしている時に何となく見えている壁や足の裏に感じている床の感触、窓の外から聞こえてくる車の音などは、無意識が処理している情報たちです。 つまり、私が身につけた自己催眠の手法というのは、脳が受け取っている情報全体の中で、無意識が受け取っている情報の世界へ近づいていく感覚ということが分かります。

講習を受けなくても自己催眠テクニックを身につけることはできる?

ここまで記事を読んでくださった皆さんの中には「な~んだ。この言葉さえ知っていれば、自己催眠できるようになるじゃん」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

事実、ユーチューブには日常生活の中に「自己催眠」を取り入れてリラックスするための動画もたくさん見つかります。特に英語、フランス語ではより多くの動画が公開されていて、初回講習を受ける前には、私も色々な動画で試した経験者なんです。

けれど、実際に講習を受けて思ったのは、催眠状態へ潜る感覚、顕在意識から無意識へ近づいていく感覚を、専門家の誘導で体験しておくのと全く知らずに我流で行うのとでは、催眠状態への入りやすさも催眠状態の深さも全く違ってくるということでした。

私のヒプノバーシング(自己催眠出産)

さて、そんなこんなでついに私は出産の日を向かえました。

お腹が張る度に催眠状態へ移行していたので、実は最初は、それが痛みなのか何なのか分かりませんでした。 初めての体験だったので人並みの陣痛というものもよく分からず、最初は、たまたま自分の痛みが「人より軽い」のではないかと思いました。

けれど実際には、助産師いわく私の陣痛の波は「人並み以上に強かった」ということなので、やはり自己催眠のおかげで痛みが軽減したということになります。

陣痛の緩和には成功した私ですが、実際のお産がスムーズにいったかというと、そうではありませんでした。飲まず・食わず・寝ずに(私の産院ではそうだったんですよねー。日本ではそういうことはないと聞きますが。)陣痛を16時間、自己催眠でコントロールした後「このままでは出産までに体力が尽きる」と感じ、硬膜外麻酔を打ってもらって少し仮眠を取ることにしました。

この時分かったことは、自己催眠には集中力がいるということです。体力が落ちてくると集中力が落ちてきて、だんだん催眠状態に移行しづらくなっていきました。硬膜外麻酔と共に陣痛促進剤も使ってもらいましたが、その後も9時間の陣痛が続き(トータル25時間)、やっと娘が誕生!

産後の恩恵

最終的には疲労の激しい出産となりましたが、ヒプノバーシングによって娘との強い心の絆を育むことができましたし、何よりも、出産時の痛みの感じ方について驚きの体験は私のその後の人生を大きく変えました。

意識をコントロールすることで潜在的な可能性を開花させることができることを身をもって体験したからです。

そんなことをきっかけにして、ソフロロジーの勉強を始め、私はソフロロジストとしての活動を開始することになりました。 ヒプノバーシングを経験したあとに、ヒプノセラピーやソフロロジーについて調べたところ、ソフロロジーの奥深さに魅了されたからです。

実は今回ソフロロジー出産ではなく、ヒプノバーシングを選んだのには「時間」というどうしようもない理由がありました。ソフロロジストでもあるヒプノセラピストの講師を見つけたとき、すでに臨月が迫っていたのですが、ソフロロジーは二カ月ほどの講習期間が必要なため、講師から数回の講習で実践できるようになるヒプノバーシングの方を勧められたんです。

出産後、改めて調べてみて分かったことは「ソフロロジー出産の方が出産だけに限らずもっと広い恩恵を受けられる」ということ。(準備期間が長いので、当たり前といえば当たり前かもしれませんけれど。)そのため第二子は、ぜひソフロロジー出産に挑戦してみたいと思っています。

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ヒプノバーシング(自己催眠出産)と並んで痛みの少ない出産法として有名なソフロロジー出産についてご興味のある方は以下の記事をご覧ください。

【ソフロロジー出産百科】まる分かり!本当に痛くない?誰にでも効く? Vol. 1