「朝起きたときに疲れている」

ってゆうか、2度寝したい(>_<)

こんな悩みを抱えていませんか?

実は、厚生労働省によると、5人に1人の日本人が睡眠不足という話です。

社会問題といえるほど、睡眠不足は日本人にとって身近な問題なんですね。

この記事では、時間に追われる皆さんに自分でできる睡眠の質を上げる方法をご紹介しています。

最適な睡眠時間

眠れない

何時間の睡眠 が 最適な睡眠時間?

「何時間」の睡眠が最適か?それは人によって異なるんです。

とはいえ、人が必要とする睡眠時間の平均値はあります。それが7時間です。

7時間の睡眠中、人の体は一体、何をしているのでしょうか?

  1. 眠りに入った後の深い睡眠で、人の体はまず、「疲労回復」や「細胞の修復」をし、新しい細胞の生産を活性化させます(新陳代謝)。老化防止や美容、健全な成長のためにこの入眠直後の深い睡眠はとても大切です。
  2. 次に、記憶を整理したり定着させたりする工程があります。
  3. そして免疫細胞が抗体を作る工程、つまり免疫系が活性化する工程があります。

このようにして、脳は睡眠中に、老廃物をごみ出ししたり、不具合を修復したり、新しい細胞を生産たりしています。

その過程がしっかり終われば、朝スッキリ起きて、日中もパワフルに活動できます。

人によっては5時間未満の睡眠で足りるショートスリーパーもいますが、睡眠研究者たちの調査データでは、こういったケースは極稀といわれています。

慢性的な睡眠不足に陥るということは、上述したような過程がしっかりと完了できないまま、不具合が蓄積していくことになりますから、心が不安定になったり、病気になりやすくなったりします。

あなたの睡眠時間は大丈夫?

次に挙げる2ポイントが十分な睡眠時間がとれているかを知るめやすになります。

  1. 「日中に眠気を感じるかどうか?」
  2. 「平日と週末の睡眠時間に2時間以上の差があるかどうか?」

実は日本人の過半数が「平日は6時間未満」「休日は7時間以上」の寝だめライフを送っているのですが、近年の研究では「平日の睡眠不足」と「週末の寝だめ」を繰り返すライフスタイルによって「生活習慣病」や「うつ病」「認知症」などのリスクが高まることが明らかになってきているんですね。

上述した睡眠の役割を鑑みれば、それは当たり前の結果だと納得できます。とはいえ、具体的にはどのようなことが起きるのか、はっきり知っておきたいですよね。

睡眠不足の怖い弊害

睡眠は大切とはよく耳にしますが、実際問題、睡眠不足の何がいけないのでしょうか?

次に挙げるような睡眠不足の弊害は誰もが感じたことがあるかもしれません。

  1. 仕事上のミスが増える
  2. 集中力が続かない
  3. 計算スピードが落ちる

けれど、睡眠不足の弊害は仕事上の問題だけではないのです。

睡眠不足が続くと免疫機能が低下して病気になりやすくなったり、肌荒れや吹き出物が出やすくなったりします。美容の大敵ですね。

さらに注意力の低下に至っては、徹夜した人の運転スキルが飲酒運転(酒気帯び運転)の最低基準=血中アルコール濃度0.03%の人の運転スキルより低いという実験データも報告されており、徹夜は飲酒よりも事故を起こすリスクを上げるというデータもあります。

他にも過度に食欲がわいて、濃い味のものを食べたくなる傾向も出てきます。

体が十分な休養を取れないまま活動してばかりいるために、いわば敵から逃げ続けて体がエネルギーを欲しているような状態になっているからです。

こうした生活を長く続けていると、塩分や糖分の過剰摂取となり、生活習慣病のリスクが高まっていくのは想像に難くないですよね。

睡眠不足の弊害 まとめ

  1. 日中のパフォーマンスが落ちる
  2. 免疫力が低下し、病気になりやすくなる
  3. 肌荒れなどの美容によくない。
  4. 注意力が低下し、運転事故のリスクを上げる
  5. 過剰な食欲で太るリスクが上がる
  6. 濃い味の嗜好となり、過剰な塩分・糖分摂取の傾向が強まり、生活習慣病のリスクが上がる

これだけのデメリットを知って、睡眠問題を放置しておくメリットは何もないわけですが、頭で分かっていても、人の習慣って変わらないものなんです(´;ω;`)。

違いを体感し、感情が芽生えることによって初めて、長期間、行動をつづけていくことができるようになります。

そこで、広島大学の林光緒先生されている面白い試みをご紹介します。

林先生の授業では、約2週間、睡眠日誌をつけてもらい、普段の自分の睡眠時間について可視化させます。
次の2週間では、光と音と温度湿度など快適に保ったり、平均7時間の睡眠をとることで、自分のパフォーマンスがどれぐらい変わるかを日誌につけてもらい、体感してもらいます。

すると、多くの学生が「世界が違う。いままでの世界はぼやけていた」と言うのだそうです。

【情報リソース:https://astavision.com/contents/interview/2865】

日本人の睡眠不足の背景には、徹夜で仕事を仕上げるなど、体に無理をさせてでも頑張る文化や、日本の社会人生活では「長時間の通勤時間」「仕事量の多さ」「職場での精神的なストレス」など、睡眠を阻害する要因が多いことなどが挙げられます。

こうした生活サイクルの中では仕事のパフォーマンスが週の後半になると落ちることになり、結果として残業が増えやすくなります。すると家にいる時間自体が短くなるため、睡眠時間を確保するのも難しい、という悪循環になってしまうんですね。

でも本当は、睡眠時間を確保することでパフォーマンスが上がり、仕事上のミスが減ったり、アイデアが湧いてきたりして、残業は減り、そればかりか生産性を上げることにもつながるのです。

実は、睡眠時間を確保することで運や縁も引き寄せられるようになります。
脳がクリアになるので、いい判断ができるようになるんですね。

ぜひ、この記事をお読みのあなたも、騙されたと思って、今日から睡眠日誌をつけてみましょう!

  1. 最初の1週間は「就寝時間」と「起床時間」だけを記録します。
  2. 次の1週間は、下記に挙げる項目も記録し、快適な睡眠環境を整え、7時間の睡眠時間を1週間だけ、確実にとってみてください。

1. 光を消す

睡眠を促進するのはメラトニン。メラトニンは目の網膜が受ける光の量のデータをもとにメラトニンの分泌量を決めます。
目に入る光の量が減ると、それを感知した松果体がメラトニンを分泌。
メラトニンは脈拍や体温、血圧を低下させることによって自然な眠りを誘う作用があります。

寝る前や寝床に入ってから明るい液晶をみるのはやめ、目に光が入らないようにしましょう。

家族がいて、寝入りを真っ暗にできない場合は、アイマスクを活用するといいですよ。
目の奥にある網膜がキャッチする光がなければ、大丈夫です。

2. リラックス睡眠

「ストレスはよい睡眠を妨げる」ということをご存知の方は多いと思います。

ストレスを感じるとコルチゾールという物質が分泌されるのですが、このコルチゾール、実は「天然の目覚まし時計」ともいえる効果を持っています。

コルチゾールが分泌されると、体に蓄積されているブドウ糖や脂肪などをエネルギーとして取り出すことが促進されます。

通常は、睡眠中は分泌が抑えられ、明け方にかけて分泌量が増えて、起床後30〜60分のあいだに大量に分泌される特徴があります。

ところが、寝る前に仕事のことや不安など、ストレスを感じることを考えるとコルチゾールが分泌されてしまい、寝つきにくくなったり、眠りの質が落ちてしまうことになるんです。

効果的なストレスマネジメントを実践して睡眠不足を解消しましょう!

そのための呼吸法及び、筋弛緩法については、記事の最後にあります☆お楽しみに。

3. 温度

快眠をサポートする要素として大切なのが「温度」。

快適に眠れる快眠温度は33度。

寝具の中をそのくらいの温度に保つために、夏場は室温を26度くらいに設定しておくと最適。

夏場、電気代が気になる季節でも、質の高い睡眠をとるために、寝ついてから3時間くらいは室温を26度設定にしておくと快眠が保たれやすくなります。

冬は、暖かい居間で過ごした後に寒い寝室に入ると、交感神経が刺激されて目が覚めてしまい、寝つきが悪くなります。
冬の寝室は「ナイトウエアに1枚はおって寒くない程度の16度以上」が最適

暖房をつけても布団が温まるまでには時間がかかるので、電気毛布や湯たんぽで布団の中を温めておくのがおススメです。
ただし、電気毛布をつけたまま眠ると、睡眠中の自然な体温変化が妨げられるので、眠るときにはスイッチを切るようにしましょう。

最近はマットレスから風が出てきて寝床の中の温度を調整してくれる「ふとんコンディショナー」と呼ばれる寝具も開発されているそうです。

夏だけに使う場合は送風機能だけのものでも大丈夫だと思いますが、1年中使うことを考える場合は寝床の中を一定の温度に保ってくれるタイプのものがおススメですね。

適切なお部屋の温度調節を行って、睡眠不足を解消しましょう!

4. お風呂

人は眠ろうとすると、手足の血管が開き、放熱して体温を下げます。

ぬるめのお湯に入浴して末梢血管を開き、熱を逃がして体温を下げると眠りやすくなります。

注意して頂きたいのは、お風呂が熱すぎると覚醒系のスイッチが入り、逆効果になる点です。
お風呂の温度は体温が0.5℃上昇するくらいが最適です。

ぬるめのお風呂で寝つきをよくしましょう!

5. 通気

夏場は寝具の通気のよさが大切なポイント。快眠に最適な湿度は50~60%です。

就寝中は汗の気化熱で体温を下げようとします。

汗が蒸発して、寝床の湿度が上がると、ミストサウナ状態に。

ミストサウナ状態になった寝床では、汗をかいても汗を蒸発させることができず、体温が下がらなくなります。

体の熱を逃がしながら寝床の湿度を抑えるために、通気をよくすることを意識しましょう。

通気のいいお部屋とお布団で睡眠不足を解消しましょう!

6. 音

寝ている間も脳は、周囲の音を聞いて、情報処理を行っています。

こうした必要のない情報処理をなくし、脳や体が必要なことにエネルギーを注げるように、静かな環境で眠れるように寝室を整えましょう。

外の音や家族のいびきなどがある場合は、耳栓をご検討くださいね。

7. 最後の手段 ~ 「お昼寝♡」

スペインやイタリア南部などの暑い地域に住んでいる人々は、昼寝をして夜遅くまで活動する習慣があります。

実は14時~15時ごろの時間帯というのは、眠くなるように生物時計のリズムができているため、この習慣は人の生体リズムに叶ったものでもあるんです。

ただ、それはスペインやイタリア南部が昼間、暑すぎて活動できないので、活動時間を涼しい夜に移していること。またヨーロッパはサマータイムを採用しており、夏の日暮れが22時頃になることなどが関係しています。

夜に十分な睡眠がとれていれば、昼間は寝ようと思っても眠れないのが普通です。なので、お昼寝は、あくまで非常手段。

慢性的な睡眠不足がつづくよりは、お昼寝で補った方が体には優しい生活になります。

ただ、お昼寝が30分以上になると脳が本当に眠りに入ろうとしてしまうのでご注意を。
昼寝は20分程度に収めることが大変重要です。
20分程度のお昼寝は、日中のパフォーマンスを回復するのに大変効果があるといわれています。

※成長ホルモンの分泌などは、持続性のある睡眠でないと発生しないので、20分程度のお昼寝を何度も細切れに使っても夜の睡眠の代替とすることはできません。

限られた時間で質の高い睡眠をとるために

本来は、まとまった睡眠時間をしっかり確保することが理想的ですが、仕事や通勤時間の関係で現実的に難しいことは多いでしょう。

そういった場合は限られた時間でも、いかに早く寝つき、深い睡眠が取れるかを考えましょう。

限られた時間で質の高い休養をとるためには、心身が疲れ果てた状態で倒れるように睡眠に入るよりも、少しでも時間をとって心身をリラックスさせ、ぐっすり眠れる環境を整えてから意識的に睡眠を取る方が効果的です。

睡眠不足を解消する次のような呼吸を実践して、心身のリラックス状態を高めましょう。

眠りの前の呼吸法 ~ 実践編

ストレスを遠くへ吹きやるイメージで。

呼吸1. 頭と顔に意識を向ける

仕事で「やらなければいけないこと」「達成しなければいけない目標」「懸念事項」など、ネガティブな思考を全て吐き出すイメージで呼吸します。
仕事上ののネガティブな思考を頭に強く思い起こしてください。

  1. まずは息を吐ききり、肺を空っぽにします。
  2. お腹を膨らませながら息を吸う。い込みます。
  3. 息を止め、頭や顔全体に力を入れます。(目、頬、口に力を入れます。)
  4. 息を吐きながら、顔の力をゆるめます。
  5. 普段の呼吸へ戻します。

呼吸のリズムを意識的に感じ、息を吐くびに、仕事に関するわずらわしい連想が煙のように息の中に吐き出され、立ち消えていくイメージをします。

呼吸2. 首や肩、腕、手に意識を意識を向ける

  1. まずは息を吐ききり、肺を空っぽにします。
  2. お腹を膨らませながら息を吸い込みます。
  3. 息を止め、首、腕、肩に力を入れます。
  4. 息を吐きながら、顔の力をゆるめます。
  5. 普段の呼吸へ戻します。

首や肩がほぐれ、腕や手の力が抜けていることを実感しましょう。

呼吸3. 背中、胸、お腹・腰・お尻に意識を向ける

  1. まずは息を吐ききり、肺を空っぽにします。
  2. お腹を膨らませながら息を吸う。い込みます。
  3. 息を止め、背中、胸、お腹に力を入れます。
  4. 息を吐きながら、顔の力をゆるめます。
  5. 普段の呼吸へ戻します。

呼吸をする度に感情がほぐれ、心に静けさが拡がるのを感じましょう。
呼吸が解放され、楽に息ができていることに意識を向けてください。

呼吸4. 足全体へ意識を向ける

  1. まずは息を吐ききり、肺を空っぽにします。
  2. お腹を膨らませながら息を吸う。い込みます。
  3. 息を止め、太ももから足先までギュッと力を入れます。
  4. 息を吐きながら、顔の力をゆるめます。
  5. 普段の呼吸へ戻します。

足全体がゆるみ、解放された感覚に意識を向けましょう。

呼吸6. 全身のリラックス

最後に、全身の力を抜くために呼吸します。

  1. 息を吐ききり、肺を空っぽにします。
  2. お腹を膨らませながら息を深く吸い込みます。。
  3. 息を止め、身体全体に軽く力を入れます。
  4. 息を吐きながら身体全体をゆるめます。
  5. 普段の呼吸へ戻します。

体全体がゆるんでいく感覚へ意識を向けてください。

7. 4秒呼吸法

お腹へ手を添えます。

  1. 4秒数えながら、おなかを膨らませながら息を吸います。
  2. 4秒間息を止めます。
  3. 4秒間息をゆっくり吐きながら、お腹が下がっていくことに意識を向けます。
  4. 息を吐ききった状態で、4秒間、息を止めます。

この呼吸を4回以上繰り返し、その後体の内側が普段より静まっている感覚を意識してから眠りにつきましょう。

呼吸をしながら安心できるイメージをすることで、心や体がリラックスし、質の高い睡眠をとることができます。

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リラックス睡眠は万病予防の要です。睡眠改善のご検討はお早目に。

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