苦言を呈さなければいけない場面、ノンストレスで部下へ苦言って、なかなか難しいですよね?

どうしても部下を「責めたり」「批判したくなったり」しませんか?

フランスの心理学研究最前線(雑誌「Cerveau & Psycho」(脳と心理))では、上手に表現できるなら「気持ちは表現すれば表現するほど幸せになれる」と言われています。

ノンストレスで部下の人材育成ができて、上司として自分も幸せになれたら・・・。

願ったり叶ったりかもしれませんよ?

本記事では、そんな「上司の願ったり叶ったり」を実現する具体的な方法についてお伝えします。

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トラブルを招くNG表現

「上手に苦言を呈す方法」といえば、説明は長くなりますが「NG表現」というと簡単です。

「怒りを爆発させるような感情表現」

これがNG表現です。

このことだけでも覚えておくと、とても便利です。

 

部下に苦言を呈す場合といえば、恐らく同じような失敗が何度も重なったり、上司であるあなたや組織、顧客に多大な迷惑がかかった場合など、わりと事態が重い、という場面も多いと思うんですよね。

そして、事態が重い場面では、上司としてのあなたの胸中も穏やかでない場合が多いと思うのです。

そんなときこそ「感情のマネージメントが大切だ!」と巷では言われていますが、そう簡単にはいきませんよね。どうしたって「部下が100%悪い!」「部下が全面的に変わるべきだ!」というエネルギーが体内を駆けめぐってしまうと思います。

私も、実はあなたのその感情はまっとうなものだと思っています。誰だって、そう感じると思いますよ。

でも、です。少し、その感情から距離をおいて考えてみてほしいのです。

起こってしまったことは今更、変わりません。部下の過去の行動を怒ることにエネルギーを費やしても、エネルギーは消えてしまいます。それよりも「同じ間違いを繰り返さないための方法を伝える」ことにエネルギーを使いたいと思いませんか?そうした方が未来のあなたに貢献できます。

怒りを爆発させることがNG表現である理由は、感情的な攻撃シップだけが部下に伝わってしまい、本来伝えたいはずの「同じ間違いを繰り返さないための方法」が伝わらないからです。

それだけでなく、実は、怒りをぶつけるとあなたの怒りも長引く、ということが心理学研究で明らかになっているんですよ。

 

とはいえ、困った部下を前に「仏の顔が崩れてしまう」のは、人間なら誰にでもあることですよね。

それでも、その怒りを爆発させず、しかも自分の気持ちを我慢するのでもなく、適切に相手に不愉快な気持ちを表現する、これこそ「心の知能指数=EQ」の高い人のみが会得している技です。

この先を読めば、あなたも、そんな技をマスターできるようになりますよ!

困った部下に不愉快な気持ちをうまく伝える簡単5ステップ

困った部下に「不愉快な自分の気持ちをうまく伝えながらも、部下のやる気を引き出し、最終的には仕事のパフォーマンスを上げる」

そんなテクニック、本当にあるんでしょうか?

 

記事にしているからには、もちろんありますよ。これが、そのための「5ステップ」です。

  1. 淡々と事実を言葉にする。
  2. 「私は」という主語を使って自分の感情を表現する。
  3. 自分の感情」と「相手の行動」との因果関係について冷静に伝える。
  4. 部下に今後の解決方法を提案する。
  5. 部下の能力(問題解決能力)を「認めている」と言い、前向きな言葉で会話を締めくくる。

 

それでは具体例を用いてイメージしてみましょう。

 

ある日、大事な仕事のミーティングを約束をしていた部下がミーティングの時間に遅刻してしまいました。上司であるあなたが部下にかける言葉として、以下に示す2つの表現のうち、どちらが好ましいと思いますか?

☆感情表現 A

「君はいつも遅刻してばかりしているじゃないか!毎回、本当に君には頭に来るなあ。約束の時間を守るという当たり前のことが、どうして君にはできんのかね。まあ、いくら話したって無駄だろうな。もう、仕事へ戻れ」

☆感情表現 B

「私たちの約束は11時だった。今は11時20分だ。君が遅刻したこの20分の間、私の時間は無駄になったんだ。正直にいって、私は今すごく腹が立っている。

次回からは約束の2時間前に、一度、私へ連絡を入れてほしい。約束の時刻に間に合うのかどうか、君から連絡を入れてくれ。君と私が協力すれば、お互いにいい仕事ができるはずだと私は思っているんだ。頼んだぞ」

 

もちろん、好ましい感情表現はBの方です。

 

これが模範解答なのは、私も分かっていますよ。
いざというときにこんな風にうまく話せるかといえば、疑問があるのは当たり前ですね。

 

では、皆さんのケースに合わせて、適切なモノ申し方を考えるために、どのようなステップを踏めばいいか説明しますね。

 

《不愉快な気持ちを上手に部下へ表現するための 5ステップ》

 

ステップ 1

第一声で「君はいつも遅刻じゃないか!」というように、上司の個人的な感情を吐露したり、相手の行為を批判するような表現はNG。頭に血が登ったときは、一度深呼吸をして、淡々とした口調を心がけましょう。そして、客観的な事実を、時系列で部下へ説明します。

感情表現Bの「私たちの約束は11時だった。今は11時20分だ」は客観的な事実以外の情報が一切入っていないフレーズなんです。

 

ステップ 2

「君には本当に腹が立つ!」のように相手を主語にするのではなく、「私は」と、自分を主語にして自分の感情を表現するように心がけましょう。

相手を主語にして事実を表現しているとき、私たちの潜在意識の中には「相手は加害者である(私は被害者である)」という被害妄想が生まれます。「他者が変わればそれでいい」「自分は何も変わらなくていい」という方向へ思考が加速していくと、本来なら協力し合って達成できるはずの目的も、達成できなくなってしまいます。

感情表現Bのように「私は頭に来ている」と、自分の感情として表現し、その言葉を耳にすることで、あなたも、その感情と距離をおいて客観的になれるんです。すると「では、この状況の中で本当は自分はどうしたいのか?どうしたら自分の希望が叶うのか?」と、次のステップへと向かう建設的な思考を切り替えていくことができるようになります。

 

ステップ 3

ステップ2で表現した私の気持ちの原因を、部下に分かるように説明しましょう。「自分が言わなくても、相手は勝手に理解するべきだ」という思考に陥ってしまうと、部下はあなたの言葉を聞き入れなくなってしまいます。

また「君には頭に来る!」などと、相手をまるごと人として否定するような表現をすると信頼関係が崩れ、その後の業務に差しさわりがでる危険性があります。あくまでも、目的は仕事をうまく進めることで、部下の人間性を批判することではありません。「相手の人格」と「相手の行動」は別物だと捉えることを大切にしてください。問題となった行動のみにフォーカスします。

ステップ 4

この状態を改善していくための解決方法を提案しましょう。

感情表現 A 「もっと遅刻しないようにできないのかね」という言い方ではなく、

感情表現 B 「次回からは約束の2時間前に、一度、私へ連絡を入れてほしい。約束の時刻に間に合うのかどうか、君から連絡を入れてくれ。」という言い方の方がより具体的で、現実的、建設的な提案になります。

Aの言い方にすると、部下が遅刻しないように気をつけていても遅刻になってしまった場合、即ゲームオーバーです。けれど、Bの言い方ならば、全てのシチュエーションにおいて、部下があなたのためにできる努力があります。部下はどんなシチュエーションでも誠意をみせることができます。

それでも、部下が努力をしてくれない場合は、あなたと部下の人間関係がそもそも上手くいっているのかどうかを考えた方がいいでしょう。

解決方法を提案するときは、感情表現 A 「もっと遅刻しないようにできないのかね」というように、否定形を多用したフレーズは避けましょう。具体的にどういう行動をとってほしいと、肯定形の文章を用いて提案した方が、相手に快く動いてもらいやすくなります。

 

ステップ 5

最後は、部下の人間性と能力に信頼を示すポジティブな言葉(部下の自己肯定感を高めるメッセージ)で会話を締めくくります。

どんな部下でも、自分を信頼していくれる上司の期待には努力して応えたくなるのが人の心情です。

「もういい!いくら話したって無駄だ!」などと言われた相手のために努力したいとは誰も思いませんよね。

目的は部下の自尊心を傷つけ、自己肯定感を下げることではなく、お互いの信頼関係を強め、協力して仕事をうまく進めることですよね。

本当の目的を常に意識するようにしましょう。

「あなたに信頼を寄せ、あなたの幸福を望む部下」が増えれば増えるほど、部下は自然とあなたへの協力や努力を惜しまなくなるものです。

まとめ

NG表現:「怒りを爆発させるような感情表現」

意識したいこと:苦言を呈すことでクリアしたい本当の目的は「お互いの信頼関係を強め、協力して仕事をうまく進めること」

 

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