手術後、本当はもっと元気になって、病気の不安がない明るい毎日を送るはずだった。

それなのに現実は・・・

手術前に想像していた「元気な自分とは真逆の状態になっている・・・」

手術した場所やその周りが「引きつる」「痛い」「違和感がある」まるで、自分の体じゃなくなったみたい。

「こんなハズじゃなかったのに・・・(>_<)!」

 

食欲も出ず、やりたいこともできず、元気になりたいのに、体がいうことを聞いてくれない

こんな鬱々とした日々から脱出するには、一体どうしたらいいのでしょうか?

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術後鬱

手術後の鬱っぽさ、メンタルの落ち込みは「手術で体にかかった負担」と、手術後の傷や思い通りに動かなくなった新しい自分の体の受け入れ、また「これから本当に元気になれるんだろうか?」「社会復帰はいつになるのだろう?」そんな不安、体と心の両方が関係しているんですね。

手術前は、具体的に手術後に自分がどんな体になるのか、イメージできないものです。

同じ手術をした経験者さんのケースを聞いていたとしても、自分の体が手術に対して、どんな反応をするかは手術をしてみないと分からないのです。

さらに、お医者さんからは「より健康になるために」手術をした方が良い、と言われ、手術に臨むわけですから「手術が終わったら、明るい未来が待っている」と、無意識に期待してしまうのは自然なことです。

けれども、実際には、手術後の療養期間に鬱様症状が出ることは稀なことではありません。

それは、手術が大きな手術であったか、小さな手術であったかにも左右されないのです。

 

とはいえ、メンタルが欝々とした状態では、手術後の体の回復力にも大きく影響してしまいます。

体がしんどいとメンタルが落ち込むのは当たり前です。しかし、メンタルが深く落ち込むと体の自然治癒力が低下してしまいます。

悪循環ですよね、一体どうしたらいいのでしょうか?

術後鬱のサイン

自然治癒力が低下しているサインは、実は、気分が落ち込む、意欲が湧かない、などのメンタルの要素だけではありません

食欲が湧かない、眠れない、なども自然治癒力が低下し、鬱様症状が出ているサインなんです。

こうした症状には、実は、自律神経系の働きが深く関係しています。

 

自律神経系は、そもそも命を守るために、体の様々な機能をコントロールしてくれる神経系です。

この図のように、体の内外の様子をキャッチする感覚神経系の情報が脳へ伝わった後、脳からの指令を体中へ送るのが自律神経系の役割なんですね。

自律神経系

緑色で書かれている感覚神経系が伝える感覚は、実は5感だけではありません。

人には、次のような4つの体内感覚があるとされています。

  1. 手足の位置を感じる感覚(プロプリオセプション)
  2. 平衡感覚:(エキリブリオセプション)
  3. 温度感覚(サーモセプション)
  4. 体内の痛みを感じる感覚(ノシセプション)

(※「ピエール&マリー・キュリー大学」のフランソア・ル・コール教授の論文「Distinguishing the senses: Individuation and classification」より)

また、トラウマセラピーなどの分野で有名な最新の理論、自律神経系の「ポリヴェーガル理論」提唱者ポージェス博士によれば、顕在意識で把握できない無意識の感覚もあり、それらを「ニューロセプション」と呼びます。

ニューロとは「神経」のことで、顕在意識では気づけないけれども、脳がキャッチしている無意識の感覚ということです。

 

これらのことから言えることは、手術後、見た目には手術前の体に戻ったように見えても、脳には、手術で大きく変化した体の感覚がしっかり伝わっている、ということなんです。

こうした変化に対して、交感神経系が過剰に活性化するのは自然なことなのですが、そのせいで呼吸が浅くなったり、脈が速くなったり、ということが起こると、その感覚が再び脳へフィードバックし「不安や焦り」などを生み出し、それらの感覚がまた交感神経系を刺激する、というストレスの悪循環が定着してしまうことになります。

交感神経系

そして交感神経系が活性化してストレスが上がると、消化機能や免疫機能、体の自然治癒力が低下する、という厄介な事態を招いてしまうのです。

一体、何故、こんなことになるのでしょうか?

それは、体にとっては交感神経系が活性化されるような事態は「野生においての危険=天敵に食べられるかもしれない危険」であり、そのような危機的状態では、空腹を感じたり、傷の回復へエネルギーを注いだりしている場合ではなく、敵から逃げたり、闘ったりすることに全力を向けなければならないからなんですね。

手術後の体に異変を感じて交感神経系が活性化してしまうのは、致し方がないけれど、体が回復力を発揮してくれないと、メンタルも落ち込むばかり。

このジレンマは、一体どうやって解決したらよいのでしょうか?

メンタルUP & 自然治癒力UP

それは、体の回復力が上がる状態「安心・安全」を意識的に脳に伝える行動をとってあげればいいのです。

具体的にはどうすればいいのでしょうか?

それが「イメージ呼吸セラピー」の手法「筋肉をゆるめる」「呼吸をゆるめる」「安心・安全のイメージをする」というものです。

実は「イメージ呼吸セラピー」は、フランスでは癌患者などの手術後の体とメンタルの回復、またスポーツ選手やダンサーの怪我からの回復を良好に進めるために、よく用いられているセラピーなんですね。

「筋肉をゆるめる」「呼吸をゆるめる」「安心・安全のイメージをする」ことで、次のようなフィードバックを体に起こすことができます。

副交感神経系

筋肉がゆるみ、呼吸が穏やかになると副交感神経が刺激され、交感神経系が静まることはイメージしやすいでしょう。

しかし、何故、安心・安全のイメージが交感神経系を落ち着けるのでしょうか?

それには、こんな脳の性質があるからなんですよ。

 

脳は、現実の体験と、想像の体験を区別しません。

この図には、視覚野、聴覚野、嗅覚野などの脳の場所が書かれてあります。

脳

視覚野では、現実に見ている風景の情報処理も、頭の中でイメージしている画像の処理も行います。どっちが現実で、どっちが架空のイメージか?などで、脳の活性場所は分かれていないんですね。

ですから、安心・安全の風景や音、香りなどをイメージすることで、体は「現実に安心・安全な状況だ」と感じることができ、芯からゆるんでくれるようになるのです。

そして、体がゆるめば心が楽になり、消化器系統などが動き出し、自然治癒力で体が回復する力が戻ってきます

 

ただ、手術後の体は、損傷を受けて筋肉や組織が硬くなったり、切られた組織がまだしっかりくっていないかったりなど、体をゆるめようとしても、なかなか緩みにくい状況になっています。

そのような場合でも、「呼吸を止めて力を入れた後に一気に力を抜きながら息を吐く」という方法で、深部から脱力できるようになります。

この体感を味わうことが、何よりも体を安心させ「体が回復できる状態=深い休養の状態」へ入ることができるのですね。

 

では、体の力をゆるめる方法、そして 呼吸法を合わせて一緒に行う「筋弛緩法 + 呼吸法」の実演動画を公開していますので、ぜひ参考にしてみてください。

この動画では、座って行っていますが、寝て行うこともできます。

座って行っても、寝て行っても同じだけの効果を体感できます。

ぜひ、病床でも実践くださいませ☆

 

さらに、「筋弛緩法と呼吸法」を用いたエクササイズの後に安心のイメージで体をゆるませることで、さらに体と心をゆるませていくことができます。

こちらの音声は、動画を見ずに目を閉じて、体の内側の感覚やイメージに集中しながらエクササイズに集中してみてくださいね。

パニック障害用のタイトルがついていますが、実は、パニック障害に限らずご利用頂けます。

今後も様々な場面に適用できる音声をご紹介していく予定ですので、ぜひチャンネル登録してみてください☆

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