「現実って、なかなか思うように変わらない」

人生を変えたくて、いろいろ試してみたけれど、なかなか思い通りにならない。

「何でだろう?」
思わず心の中で呟いたことはありませんか?

安心してください。

この記事と次回の記事2回に渡り、現実を変えるための脳の仕組みをご紹介します。

脳の仕組みが分かれば、顕在意識と潜在意識の両方にうまくアプローチしていけるようになります。

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どうして現実はなかなか思うように変わらないの?

「現実をこう変えたい」と思ったら「その瞬間に思い通りになった!」なんていうのは、ほぼ魔法だ、と思われる方が多いでしょう。どう考えても非現実的です。

一般的には努力しても現実が変わるまでには時間がかかります。何故、現実を変えるのには時間がかかってしまうのでしょうか?

結論を言います。

それは、「脳は変わるのが嫌いだから」です。

こんな言い方をしてしまうと身も蓋もありませんが(笑)、どうして脳は変化を嫌うのかについてご説明します。

脳みそは頑固で保守的

生物が「現状を維持する」という働きをホメオスタシス(生体恒常性)といいます。(※アメリカの生理学者 W.キャノンが1932年に提唱した生物学上の重要概念です。)

生物学上のホメオスタシスとは、外の環境が変化しても体内の環境を一定に保とうとする働きのことです。

もちろん、これは無意識レベルで行われます。

例えば体の外が暑くなると、何も考えなくても体温を一定に保つために汗をかき、汗をかくと体内の水分量を一定に保つために喉が渇く、そんなレベルの働きです。

脳の最重要使命

ところで脳の使命は何だか知っていますか?

それは「生存維持」です。

つまり「死なないこと」。
生きとし生けるものはすべて「生きてなんぼ」の世界にいるのです。

ということで、いま生きていられるなら、脳は自分の使命を果たせていると考えます。

逆に、いま生きているのに、その状況が変化の危機にさらされると脳は慌てます(脳が慌てる=ストレスを感じる)

「うわ、いま生きていられるのに、これ変わったら、生きていけるのか自信ないよ~」と脳が不安になるのです。

というわけで、生存が確保できている現在の状態をコンフォートゾーン(快適な領域)と呼びます。そのために、脳はこのコンフォートゾーンを死守しようとして保守的になります。

脳が使命を果たすための右腕となる存在

私たちは人生の中で様々な選択をしながら生きています。

何を選択するのか、それを決定する脳の機能をRAS(Reticular Activating System)といいます。

そしてこのRASが「現状が維持できる」選択肢を選ぶのが大好きなのです。

何故なら、先ほど申し上げたように「現状が維持できれば死ぬことはないはず」だからです。

RAS(ラス)は、現状の体内環境を維持し(恒常性を維持し)、脳に入ってくる「すべての情報」の中から、生存を維持するために重要な情報を顕在意識へ持っていきます。そして顕在意識に収まらなかった情報はすべて潜在意識へ仕舞われます。

何故、すべての情報を顕在意識へ持ってきてくれないのかというと、顕在意識のキャパには限界があるからです。

皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、顕在意識は氷山の一角で、脳の9割は潜在意識を含めた無意識にあるといわれているんですよ。

ということは、私たちが顕在意識で把握できる現実はすべて、RASフィルターによって選ばれた情報を集めて作り出されていることになります。

RASフィルター

RASフィルターが選ぶ情報の優先順位は主に以下の2点です。

  1. 現状を維持するための情報
  2. 生存を有利にするための情報

脳はこれらの情報で生存率を上げようと試みます。

具体的には「現状が変化する兆し」がみえると、その情報を不安や懸念などのネガティブな感覚と共に顕在意識が認識するようにし、また、幸せな情報よりも問題やストレスとなる情報に注意がむくように仕向けます。

「幸せの再確認」はしなくても生存率は下がりませんが、「危険を察知して排除」できるかどうかは生存を大きく左右するからです。

こうした脳のデフォルト仕様に気づかずに自動運転させていると、日々の幸せがどんどん見えなくなり、問題ばかりがクローズアップされ、そしてそれが唯一の現実だと信じ込むようになってしまうのですね。

困る

なんだか、厄介ですよね、この脳のデフォルト仕様。

 

どうして脳にこんな厄介な機能が備わっているのでしょうか?

脳みそはどうしてこんなに厄介なの?

脳の最大の使命は太古の昔から「生き延びること」でした。

大昔に人間が生きていた環境には「猛獣に襲われる危険」や「多種族に侵略される危険」、他にも「餓死」や「病気」「大けが」など、すぐに死につながる危険がそこらじゅうに潜んでいました。そんな中では「未知=何が起こるか分からない状況」の兆しを敏感に察知し、察知したらすぐに戦闘態勢に入れることが生存率UPにつながりました。

遺伝子に深く刻まれたそんな記憶のおかげで、私たち人間は今も「未知のこと=変化」に対して心理的ブレーキがかかるようになっています。

特に戦争もなく、衣食住が整っている日本の現代生活において、すぐさま生存が脅かされる状況は稀だとは思いますが、それでも、だからといって日本人の脳だけ特別仕様というわけにはいきません。生き物の進化はそう一朝一夕にはいかないからです。

ですから、平和な環境に生きていても、脳は野生の真っ只中に生きている時と同じ仕様で「現状が変化する兆し」を過敏に察知し、無意識にブレーキがかかるようになっています。

 

現代人の私たちが大問題ばかりに注目し、日々の幸せを軽視するようになったのには、このような理由があったためです。

 

ところで、このように目の前にあるのに気づけない情報をスコトーマ(心理的盲点)といいます。

「スコトーマ」は、もともとは眼科の用語で「盲点」を意味していましたが、最近は心理学用語としても使わるようになりました。

脳が認識している情報の中で顕在意識の盲点となっていること(顕在意識では知らないことになっていることすべて)をスコトーマ(心理的盲点)といいます。

※スコトーマ(心理的盲点)=「RAS」機能が重要と判断しなかったすべての情報。脳がキャッチしてはいるけれど、顕在意識に上がらず潜在意識へ仕舞われてしまった情報たち。

こういうと、なんだかRASフィルターが悪者のように思われますが、もちろんそんなことはありません。

例えば、 にぎわっているカフェで友人と話をしているとき、周囲の雑音に惑わされずに友人の話に集中できるのはRASフィルターのおかげです。RASフィルターが友人の話を重要ととらえ、それ以外の情報を無意識へ振り分けて意識せずにいられるので、私たちは友人の話に集中することができるます。

逆に、このフィルターがうまく機能せず、必要なことに集中できない場合は「気が散る」「雑念が多い」などといいます。

脳の機能のまとめ

  1. 脳の第一使命は「死なないこと」。
  2. 脳は「現状(コンフォートゾーン)」を維持すれば「死なずにいられる」ので満足である。
  3. 脳内にあるRASフィルターが情報を仕分けしている(顕在意識へ上げる情報と潜在意識へ仕舞う情報を仕分けする)。
  4. 潜在意識へ仕舞われるすべての情報をスコトーマ(盲点)と呼ぶ。(スコトーマ(盲点)を可視化するためには視野を広げる必要がある)
  5. 人は顕在意識で認識している情報(RASフィルターの選んだ情報)だけが自分の生きている現実だと認識している。(実際にはフィルターの仕様設定を変えると別の現実が見えてくる。同じ出来事に対して視点を変えると、その出来事に対する認識が変わる。)

脳機能を理解したところで、次回は「現実を変えるため「潜在意識の書き換え」テクニック」についてお伝えします。どうぞ引き続きご覧くださいね。

人生の流れを変える「潜在意識の書き換え」テクニック